商業販売統計の小売販売額は8か月連続で前値実績を上回る!
本日、経済産業省から5月の商業販売統計が公表されています。ヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+1.8%増の11兆7750億円を、また、季節調整済みの系列の前月比は+1.5%増をそれぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
6月の小売販売額、前年比1.8%増 判断は据え置き
経済産業省が30日発表した商業動態統計(速報)によると、6月の小売販売額は前年同月比1.8%増の11兆7750億円だった。前年実績を上回るのは8カ月連続。経産省は小売業の基調判断を「横ばい傾向にある」で据え置いた。
業種別では燃料小売業が16.7%増と伸びが目立った。原油高を背景に石油製品の価格が上昇した。飲食料品小売業は1.5%増。畜産品や総菜の売り上げが好調だった。
一方、自動車小売業は5.1%減だった。普通車や小型車の販売が振るわなかった。織物・衣服・身の回り品小売業は2.1%減。中旬に気温が一時低下し、夏物衣料の販売が伸び悩んだ。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で2.1%増の1兆6030億円だった。既存店ベースは1.5%増だった。コンビニエンスストアの販売額は2.5%増の9978億円だった。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期です。
繰り返しになりますが、小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+1.8%増を、また、季節調整済みの系列の前月比は+1.5%増を、それぞれ記録していますので、ヘッドラインの6月全国消費者物価指数上昇率+0.7%を軽く上回って、もちろん、カバレッジが大きく異なるとはいえ、実質消費の方もプラスであったのであろうと考えられます。ただし、前年同月比でもっとも大きく伸びているのが燃料小売業の+16.7%ですから、エネルギー価格高騰の影響は明らかです。他には、電機製品などが含まれる機械器具小売業が+5.4%、医薬品・化粧品小売業が+3.9%を示しており、他方、自動車小売業は5か月連続の前年割れとなっており、前年比で▲5.1%となりました。また、グラフやテーブルはありませんが、四半期ベースの季節調整済み指数の前期比を見ると、今年2018年1~3月期は天候不順による野菜価格の上昇などもあって消費は振るわず、前期比▲0.6%とマイナスを記録しましたが、4~6月期は+0.5%とリバウンドを示しており、来週8月10日に公表される4~6月期GDP統計、いわゆる1次QEにはこういった数字が反映されるものと考えています。
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