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2018年9月19日 (水)

2か月連続で赤字を計上した貿易統計をどう見るか?

本日、財務省から8月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+6.6%増の6兆6916億円、輸入額も+15.4%増の7兆1362億円、差引き貿易収支は▲4446億円の赤字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の貿易収支、4446億円の赤字 原油高で輸入額膨らむ
財務省が19日発表した8月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4446億円の赤字だった。赤字は2カ月連続。輸出入ともに増えたが、原油高を背景に中東からの原油輸入額が増え、輸入額の増加が上回った。QUICKがまとめた民間予測の中央値は4477億円の赤字だった。
輸出額は前年同月比6.6%増の6兆6916億円だった。増加は21カ月連続。中国向けの半導体等製造装置やベルギー向け自動車が伸びた。パナマ向け船舶も増加に寄与した。
輸入額は15.4%増の7兆1362億円。アラブ首長国連邦(UAE)からの原粗油やオーストラリアからの液化天然ガス(LNG)が伸びた。原油の円建て輸入単価は57.8%上昇した。
8月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=111円33銭。前年同月に比べて0.5%円安・ドル高に振れた。
8月の対米国の貿易収支は4558億円の黒字で、黒字額は14.5%減少した。減少は2カ月連続。医薬品などが伸びたことで輸出は5.3%増加した。輸入は航空機類などの影響で21.5%増だった。対米国の自動車輸出は金額ベースで1.5%減少した。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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上のグラフを見て理解できる通り、輸出入とも増加している中での2か月連続での貿易赤字ですし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも▲4,550億円の赤字との結果が出ていましたから、大きなサプライズもなく、輸出額の増加を輸入額の増加が上回った結果です。その輸入額の増加も、国際商品市況における石油価格の上昇に起因しています。すなわち、季節調整していない原系列の統計で見て、原粗油の輸入数量は8月統計では前年同月比で+1.1%増にとどまっていたのに対して、輸入額の方は+59.6%増を示しています。この伸び率の差は価格の上昇ということになります。輸出は伸び率がやや落ちてきているとはいえ、引用した記事にもある通り、21か月連続で前年比で伸びています。国際商品市況の動向については、我が国がかなりの程度に小国になって影響力を及ぼせないわけですから、やや同しようもないと私は受け止めています。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。OECD先行指数に基づく海外の需要動向を見ると、中国では上り坂、先進国の集まりであるOECD加盟国では下り坂となっています。ただ、今週あたりから米中間のいわゆる貿易戦争が本格化し始めており、この両国への輸出の割合が高い我が国としては、今後の世界貿易の行方が気になるところです。大いに気になります。どのようなリパーカッションがあるかは私には想像もできません。

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