2か月連続で増加した機械受注は基調判断を上方改定!
本日、内閣府から8月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列の前月比で見て、7月+11.0%の大幅増に続いて、8月も+6.8%増を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
機械受注、8月6.8%増 基調判断「持ち直しの動き」
市場予想上回る
内閣府が10日発表した8月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比6.8%増の9815億円だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は4.2%減だった。
うち製造業は6.6%増、非製造業は6.0%増だった。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は12.6%増だった。
内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に変更した。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。
引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは7月の2ケタ増の反動減を織り込んで、8月は▲4.2%減と見込んでいたんですが、実績では逆に+6.8%増とかなりの伸びを示しており、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動きに足踏み」から「足踏み」を削除して「持ち直しの動き」に半ノッチ上方改定しています。基調判断のかいていは4か月振りだそうです。産業別に見て詳細はともかく、大くくりで、7月のコア機械受注2ケタ増のうち、製造業・非製造業とも2ケタ増を示し、加えて、8月の+6.8%増も製造業・非製造業とも+6%増ですから、決して、特殊要因による一時的な増加などの偏った受注増との印象はありません。また、7~9月期の見通しは前期比▲0.3%の見込みとなっているんですが、一定の反動減が予想される9月統計が前月比▲20%を超えるくらいの減少であってもこの見込みを超える計算になり、達成はほぼ確実な状況となっています。基本的に、日銀短観の設備投資計画に見られるように、人手不足などを背景に企業の設備投資の意欲は旺盛であり、機械受注統計のクセとして単月で振れの激しい点を差し引けば、引き続き、機械受注は緩やかながら増加のトレンドにあるものと私は考えています。
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