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2018年10月19日 (金)

消費者物価(CPI)上昇率はエネルギー価格上昇により+1%に到達!

本日、総務省統計局から9月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。でみて、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は前月からやや上昇幅を拡大して+1.0%を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の全国消費者物価、1.0%上昇 原油高でエネルギー価格が上昇
総務省が19日発表した9月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は生鮮食品を除く総合が101.3と前年同月比1.0%上昇した。上昇は21カ月連続。原油高の影響で、エネルギー価格が上昇した。
上昇率が1%台となるのは今年2月以来。総務省は「緩やかな上昇傾向は変わらない」とみている。
生鮮食品を除く総合では、上昇は全体の50.9%にあたる266品目だった。電気代やガソリン代が上がった。秋冬物の衣料品の価格も、前年に比べて上昇した。
下落は186品目、横ばいは71品目だった。
生鮮食品を含む総合は101.7と1.2%上昇した。8月の天候不順でトマトなど生鮮野菜が値上がりした。一部乳製品も引き続き高い。
生鮮食品とエネルギーを除く総合のCPIは101.1と前年同月比0.4%上昇した。欧州向け旅行が好調で、外国パック旅行費が上昇した。
ただ、携帯電話の通信料は下落率が拡大した。大手通信会社の割安な料金プランの導入に加え、格安スマートフォン事業者が実質的な値下げを実施した。生鮮食品とエネルギーを除く総合のCPIの上昇幅は8月(0.4%上昇)と同水準にとどまった。
生鮮食品とエネルギーを除く総合のCPIは前月比で同水準だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価上昇率のグラフは以下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。さらに、酒類の扱いも私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、コアCPIの前年同月比上昇率で+1.0%でしたので、ジャストミートしました。企業物価についても同様の理由、すなわち、国際商品市況における石油価格の上昇の影響などから、7月、8月、9月と3か月連続での企業物価のヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率が+3%を記録する一方で、消費者物価(CPI)の上昇ペースもやや加速しています。ただ、物価上昇がマイナスを続けるデフレ脱却はまだしも、日銀のインフレ目標である+2%とはまだ差があります。加えて、物価動向について考えるべき点が2点あります。第1に、先行き物価の動向については、先々月のブログで取り上げたように、携帯電話通信料の4割引き下げ、さらに、教育の無償化により物価上昇幅が大きく下振れする可能性があります。この点は先々月8月24日付けのブログで詳しく論じています。第2に、エコノミストはついつい日銀の物価目標のターゲットである生鮮食品を除くコアCPI上昇率に目が行きがちなんですが、実は、台風などの自然災害もあって、家計が実際に直面する生鮮食品を含むヘッドラインのCPI上昇率はコアCPI上昇率よりも高い点は忘れるべきではありません。すなわち、ヘッドラインCPI上昇率は8月+1.3%、9月+1.2%となっています。別の観点から、グラフは省略しますが、9月の前年同月比で見て、ぜいたく品に近い選択的支出に相当する物価上昇が+0.3%であるのに対して、国民生活に必要度合いの高い基礎的支出に相当する物価上昇が+2.1%となっており、また、月間1回程度以上購入する財・サービスの上昇率が+3.1%と月間1回程度未満の+0.8%を上回っており、おそらく、生活実感として物価上昇が統計よりも大きく受け取られている可能性が大きいんではないか、と私は懸念しています。もしそうだと仮定すれば、生活実感の物価上昇の高さに起因して消費が伸び悩む可能性もあります。この懸念を払しょくする必要十分条件は、物価統計とは別の次元ながら、賃金の上昇であることはいうまでもありません

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