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2019年1月24日 (木)

オクスファムのリポート Public good or private wealth? やいかに?

ダボス会議が開幕し、いろんな個人や団体などからプレゼンが行われていますが、私が注目したのは昨年10月に日本法人を解散したオクスファムのプレゼンです。リポートとして Public good or private wealth? と題してアップロードされています。エンドノートの注を入れて100ページを超え、注なしでも70ページを超えますので、すべてを読みこなしたわけではありませんが、リポートの冒頭では、現在の政策のうちでも税制が不公平感あるとして、消費税などで国民から税収を徴収しては法人税引き下げの財源としている、といった主張の基礎となるグラフを引用しておきたいと思います。

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まず、リポート p.13 Figure 1: The breakdown of tax revenues を引用すると上の通りです。税収全体に占める比率で見て、法人税収が11%、資産税がわずかに4%、それに対して所得税や給与税や消費税が大きな割合を占めているのが見て取れます。そして、軽課されている資産税から溜め込んだ富裕層の資産がオフショアに7.6兆ドルある、といったところです。確かに、課税理論として、海外逃避というか、逃げ足の早い資産や資本は止むなく軽課にとどめ、重課されても海外に逃げられない労働などから徴税する、というのは理由がないわけではないんでしょうが、それでも理不尽なものを感じるのは私だけではないと思います。

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次に、リポート p.22 Figure 2: Tax revenue change 2007–2015 (%GDP) を引用すると上の通りです。そして、最近10年近くにおける課税措置の結果として、法人税は負担軽減が図られ、給与課税や消費税などの家計への課税負担が強化されています。今年2019年10月からは我が国でも、まさにこの通りの消費税率引き上げが実施されます。2014年4月の8%への消費税率引き上げでは大きな消費へのショックがあり、いまだにデフレから脱却できていません。今年の10%への消費税率引き上げでは、果たして、個人消費はどうなるんでしょうか?

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