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2019年2月 8日 (金)

先行き判断DIが上昇した景気ウォッチャーと貿易収支が黒字化した経常収支!

本日、内閣府から1月の景気ウォッチャーが、また、財務省から昨年2018年12月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から前月差▲1.2ポイント低下の45.6を記録した一方で、先行き判断DIは+1.5ポイント上昇の49.4となり、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+4528億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

"1月の街角景気、現状判断2カ月連続悪化 訪日客需要に陰り
内閣府が8日発表した1月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は45.6と、前の月から1.2ポイント低下(悪化)した。悪化は2カ月連続。外国人による消費に陰りが見られるほか、米中貿易摩擦の影響が景気実感に表れ始めている。内閣府は基調判断を「緩やかな回復基調が続いているものの、一服感がみられる」で据え置いた。
現状判断指数(45.6)は2016年7月(44.4)以来、2年6カ月ぶりの低水準。家計動向関連が2.0ポイント低下の44.6と下落したのが響いた。1月に中国で通販事業者の規制を強化する電子商取引(EC)法が施行され、中国で転売するための需要が減少しているとの声が百貨店を中心に多数聞かれた。インフルエンザの流行で外出を控える影響により「恨みたくなるような客足。例年以上に冷え込んでいる」(甲信越の一般レストラン)との声もあった。
企業動向関連は建設業など非製造業が押し上げて0.5ポイント上昇の46.6だったものの、製造業は43.4と2.3ポイント低下した。「ロボット等の製造設備関連業界には陰りが出ている。米中貿易戦争の影響が顕著にでているようだ」(北関東の一般機械器具製造業)、「世界的な景気の減退が地方にも波及し始めている」(北海道の家具製造業)などの指摘があった。雇用関連は1.1ポイント上昇の49.9だった。
一方、2~3カ月後を占う先行き判断指数は49.4と、前の月から1.5ポイント上昇した。先行き判断指数の部門別では家計動向、企業動向、雇用、いずれも改善した。「消費税引き上げ前の駆け込み購入や東京オリンピックに向けての買い替えでテレビとパソコンが今後も売れる」(東海の家電量販店)と耐久消費財の堅調な需要に期待する声や、ゴールデンウイークの10連休に伴う旅行需要に期待する声、改元を機に祝賀ムードから飲食や消費増に期待する声があった。
内閣府は基調判断を先行きについて「海外情勢等に対する懸念もある一方、改元や大型連休等への期待がみられる」とまとめた。
2018年の経常黒字、前年比13%減 貿易黒字が縮小
財務省が8日発表した2018年の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引を表す経常収支は19兆932億円の黒字だった。黒字額は前年に比べて13.0%減少した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の黒字額縮小が響いた。
貿易収支は1兆1877億円の黒字だった。黒字額は前年比76.0%減少した。原油高を背景に原粗油や液化天然ガス(LNG)の輸入が増加し、輸入全体で10.6%増えた。自動車や原動機がけん引し、輸出も全体で5.1%伸びたが、輸入の増加が上回った。
企業の海外からの配当金や投資収益にあたる第1次所得収支は20兆8102億円の黒字だった。黒字額は15年に次ぐ過去2番目の高水準だった。海外子会社から受け取る配当金と再投資収益がけん引し、直接投資収益が過去最高となった。
輸送や旅行、金融といったサービス取引の収支を示すサービス収支は8986億円の赤字となり、前年(7257億円の赤字)から赤字額が拡大した。輸送収支の赤字幅拡大が響いた。一方、訪日外国人の増加を背景に旅行収支は2兆3139億円の黒字と過去最大の黒字を記録した。
同時に発表した18年12月の国際収支状況(速報)によると、経常収支は4528億円の黒字だった。黒字は54カ月連続だが、黒字額は前年同月比43.1%減少した。
貿易収支は2162億円の黒字で、黒字額は58.8%減少した。アジア向けの輸出額が減速するなど輸出が全体で2.8%減少し、輸入は1.6%増加した。
第1次所得収支は4049億円の黒字と、黒字額は34.7%減少した。サービス収支は1142億円の赤字と比較可能な96年以降で最小の赤字だった。旅行収支は2038億円の黒字で、同月として過去最大だった。

2つの統計を並べるとやたらと長くなりました。いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、景気ウォッチャーのグラフは以下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。

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1月の季節調整済指数の前月差で見て、現状判断DIが低下する一方で、2~3か月先の先行き判断がプラスという異なる方向への振れとなり、供給サイドのマインドとしては、足元がかなり直近の底に近い感触です。現状判断DIが低下した理由としては、引用した記事によればインバウンド、インフルエンザ、米中間の貿易戦争の3点が上げられているようですが、他方で、先行き判断DI上昇の理由として、東京オリパラと改元やゴールデンウィーク10連休のほか消費増税前の駆け込み需要がすでに始まっている印象もあります。エコノミストの目から見て、インフルエンザは経済外要因かもしれませんが、確かに、外出手控えなどは消費に影響しそうな気もします。インバウンドと米中貿易摩擦は海外要因といえます。逆に、先行きに影響している要因はほぼほぼすべて国内要因なんですが、サステイナビリティはなさそうです。マインドですから、それほど長期に影響する要因はあり得ないともいえますが、景気拡大が73か月の戦後最長に達した可能性が高い現時点で、先行き判断が明るいのはもう少し景気拡大が継続する、ということな気がします。問題は消費増税以後の景気動向です。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。月次の季節調整済の系列で見て、安定的に1~2兆円の黒字を計上してます。ただ、国際商品市況における石油価格の動向に起因して、2018年9~11は貿易収支が赤字を記録していましたが、石油価格もほぼほぼピークを超えて、2018年12月には貿易黒字に回帰しています。

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最後に、本日、厚生労働省から昨年2018年12月の毎月勤労統計も公表されています。統計のヘッドラインとなる名目賃金は季節調整していない原数値の前年同月比で+1.8%増の56万7151円、賞与込みに上昇していますが、広く報じられている通り、統計としては大いに信頼性を損ねましたので、ヘッドラインの数字を引用し、上にいつものグラフをお示しするにとどめ、統計に基づく経済評論は差し控えたいと思います。

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