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2019年2月10日 (日)

米国の政策プライオリティに関する世論調査結果やいかに?

先週2月5日に、ようやくトランプ米国大統領が一般教書演説 (State of the Union Address) を終えましたが、やや旧聞に属する話題ながら、1月24日付けで、米国の世論調査機関であるピュー・リサーチ・センターから Public's 2019 Priorities: Economy, Health Care, Education and Security All Near Top of List と題して、米国国民の考える今年の政策プライオリティに関する調査結果が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。調査結果のタイトル通り、政策プライオリティのトップに上げられたのは、Improving the economy (70%)、Reducing health care costs (69%)、Improving the educational system (68%)、Defending the country from future terrorist attacks(67%)、Taking steps to make the Social Security (67%) and Medicare (67%) systems financially となっています。グラフをいくつか引用しながら、簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、上のグラフは、ピュー・リサーチのサイトから複数回答で政策の最優先課題を問うた結果の回答の時系列的な推移をプロットしているグラフを引用しています。やや色分けが見にくいんですが、最近時点での50%前後の回答のトップ5を示しています。ヘルスケアを除いて軒並みここ数年で比率を下げているような気がします。すなわち、私の解釈ながら、経済や雇用については好調な米国景気を背景に関心が低下し、テロについても米国第一主義で大概的な視点を欠くトランプ政権下で興味を低下させ、財政赤字については一部の連邦政府機関の機能停止を受けて昨年から横ばいとなっています。私の記憶でも、1980年代末の我が国経済のバブル期には経済の優先順位が下がり、少なくとも、財政政策や金融政策の発動による景気浮揚策はほとんど話題に見ならなかったと思います。また、折れ線グラフには入っていませんが、直近時点で教育が68%、社会保障が67%を占めるなど、高い優先順位の回答を集めています。

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次に、上のグラフは、ピュー・リサーチのサイトから政策の優先順位が与党共和党と野党民主党との間でどれくらい隔たりがあるのかをプロットしているグラフを引用しています。テロ対策や軍事では共和党がプライオリティ高く、両党の差が大きい一方で、同じく両党の差が大きい政策課題で民主党の優先順位が高いものには環境と気候変動が上げられます。意外と世界貿易に関しては両党間の差が小さく、しかも、我が国をはじめとして諸外国で騒いでいる割には、米国内ではそれほどのプライオリティが認められていない、というのはやや奇妙な気がします。

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