エネルギー価格のプラス寄与が続き消費者物価(CPI)上昇率は26か月連続の上昇を記録!
本日、総務省統計局から2月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は前月から上昇幅をやや縮小して+0.7%を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
2月の全国消費者物価、0.7%上昇 エネルギーの寄与度縮小
総務省が22日発表した2月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は生鮮食品を除く総合が101.3と前年同月比0.7%上昇した。上昇は26カ月連続だが、伸び率は1月(0.8%上昇)に比べて鈍化した。エネルギー構成品目の寄与度縮小が響いた。
QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.8%上昇だった。エネルギー構成品目の寄与度はガソリンなど石油製品の伸び悩みを背景に前月に比べて縮小した。ガソリンは前年同月比1.3%下落した。前年同月比で下落するのは16年11月以来2年3カ月ぶり。
生鮮食品を除く総合では全体の51.2%にあたる268品目が上昇した。下落は188品目、横ばいは67品目だった。生鮮食品を除く総合を季節調整して前月と比べると0.1%上昇した。総務省は「緩やかな上昇傾向で推移している」との見方を示した。
生鮮食品とエネルギーを除く総合は101.2と前年同月比0.4%上昇した。上昇率は1月と同じだった。掃除機やルームエアコンなど家庭用耐久財が押し上げに寄与した。
生鮮食品を含む総合は101.5と0.2%上昇した。伸び率は前月と同じだった。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは以下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。さらに、酒類の扱いも私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。

生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は、1月の+0.8%からやや縮小して、2月は+0.7%を記録しています。国際商品市況における石油価格はかなり下げているんですが、時間的なラグを伴う国内の電気ガス料金がまだ上昇を続けています。この結果、電機・都市ガス・石油製品などから構成されるエネルギーとしては1月の+0.37%の寄与から、2月は+0.34#の寄与と、小幅に寄与度が縮小しただけで、2月統計でもプラス寄与が継続しています。加えて、2~3月は4月からの新年度を迎えるにあたっての準備期間ですので、それなりに耐久消費財の価格が上昇しやすい時期でもあり、昨年も今年も2月は電機や教養娯楽向けなどの耐久消費財が前年比プラスに転じています。従って、10月の消費増税という撹乱要因はあるものの、石油価格の動向と携帯通信料の値下げ、さらに、幼児教育無償化などを考慮すれば、消費者物価の基調としては、この先年央にかけて上昇率は縮小しゼロに近づくものと私は考えています。もっとも、今年のゴールデンウィークに宿泊料が跳ね上がったりする小規模な撹乱要因はあるかもしれません。加えて、やや不思議なのは、小幅ながら東京都区部のコアCPI上昇率が今年に入って1~2月とやや加速している点です。1~2月ともに+1.1%を記録しています。通常は、東京の物価は全国の先行指標と考えられているんですが、ここ2~3年はそうでもなくなったといわれ続けており、それほどの注目は集めていません。それでも、やや不可解な動きと私は受け止めています。
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