企業向けサービス価格指数(SPPI)は9か月連続で+1%以上の上昇!
本日、日銀から2月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で見て9か月連続の+1%以上の+1.1%を示しています。1.1%は前月と同じ上昇率で、68か月連続のプラスを記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
2月の企業向けサービス価格、1.1%上昇 人手不足で
日銀が26日発表した2月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は105.1と、前年同月比で1.1%上昇した。前年を上回るのは68カ月連続で、伸び率は1月(1.0%)からやや拡大した。人手不足などを背景に、道路貨物輸送や労働者派遣サービスでの上昇が目立った。
前月比は0.3%上昇と、3カ月ぶりにプラスに転じた。円相場の下落で、円建ての不定期船、外航タンカーの運賃が上昇した。半面、テレビ広告が下落した。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。対象147品目のうち、前年比で価格が上昇したのは84品目、下落は23品目だった。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。
繰り返しになりますが、企業向けサービス価格指数(SPPI)の前年同月比上昇率は昨年2018年6月から今年2019年2月統計まで9か月連続で+1%に達しています。その直前の5月の+0.9%の前の4月も+1.0%でしたので、今年度に入ってから、ほぼほぼ+1%に達する水準をキープしていることになります。加えて、5年半超の68か月連続でプラスを記録しています。また、国際運輸を除くコアSPPIも2月は前年同月比で+1.0%の上昇を示しています。ただし、企業物価(PPI)や消費者物価指数(CPI)ほどではないにしても、SPPIについても、やっぱり、ある程度、エネルギー価格の影響は認められます。ただ、PPIやCPIよりはSPPIの方がより人手不足による賃金動向に敏感であろうことは容易に想像できます。本日公表の2月統計について少し詳しく前年比寄与度の前月からの差を見ると、運輸・郵便が外航貨物輸送や道路貨物輸送などにより+0.06%ポイントの寄与がある一方で、景気に敏感な広告が▲0.09%ポイントのマイナスとなっています。外航貨物輸送の前年比清戸前月差のプラスは石油価格に起因するエネルギー価格の上昇というよりは、円安に起因しているのは引用した記事の通りです。また、前月差でなく、前年号月比そのものを見ると、引き続き、人手不足などの影響から、警備+4.0%、労働者派遣サービス+3.3%、土木建築サービス+2.7%などが高い伸びを示しています。先行きの動向を推し量る上で、今後、年度替わりの4月の価格改定や春闘などにおける賃金交渉の動向が先行き物価にどのような影響を及ぼすか、私は注目しています。
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