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2019年3月28日 (木)

3月調査の日銀短観予想でどこまで景況感は下がるのか?

来週月曜日4月1日の公表を控えて、シンクタンクから3月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと全規模全産業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画はもうすぐ始まる来年度2019年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、今回の日銀短観予想については、足元から先行きの景況感に着目しています。一部にとても長くなってしまいました。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開くか、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
12月調査 (最近)+19
+24
<n.a.>
n.a.
日本総研+13
+22
<▲2.7%>
先行き(6月調査)は、全規模・全産業で3月調査対比+2%ポイントの改善を予想。米中の対立や欧州政局不安など、海外情勢の先行き不透明感は残るものの、中国での景気刺激効果を受けて中国向け輸出の持ち直しが業況見通しに反映される見込み。
大和総研+10
+20
<▲3.9%>
先行きの日本経済は、在庫調整および外需の低空飛行が続く中、引き続き潜在成長率を下回る低空飛行を続ける公算が大きい。外需が振るわない中、内需の重要性が相対的に増してくる。内需に関連して、消費増税対策は、2019年度内において増税の影響を上回る見通しだが、2020年度以降は消失する。原油価格の下落という好材料も消失しつつある。
結局、日本経済および業況判断の大幅な回復・改善に向けては外需の回復を待つ必要がありそうだ。そうした中で中国政府による各種の景気テコ入れ政策が発表されていることは、当面の日本経済・企業にとって好材料となりうる。とは言え、対策効果が目に見えて数値に表れるまで、日本企業は慎重に業況判断を行うだろう。従って、3月日銀短観では、製造業と非製造業の業況判断DI(先行き)が、いずれも引き続き 悪化すると見込
みずほ総研+15
+23
<▲4.6%>
先行きの製造業・業況判断DIは2ポイント悪化を予測する。
当面は中国経済やIT関連需要の減速が継続することが見込まれることから、先行きの景況感も慎重なものとなるだろう。米国が対中制裁関税の引き上げを延期したことはプラス材料となるものの、米中合意を巡る不透明感が払拭されたわけではない。また、今後本格化する日米交渉の行方を懸念する声も多い。仮に米中間で合意が実現したとしても、米国が次の標的として日本の自動車分野への圧力を強めてくる可能性があるからだ。仮に自動車に追加関税が課された場合、自動車だけでなくそれ以外の幅広い業種に影響が出る恐れがあり、物品貿易協定(TAG)を巡る不確実性が先行きの景況感を下押しするだろう。日米交渉において米国が為替政策を議題に挙げてくる可能性があり、急激な円高圧力が生じるリスクも懸念される。こうした対外的な不確実性が残存している中では、業況感の改善は見込みづらいだろう。
先行きの非製造業については、1ポイント悪化を見込む。消費増税前の駆け込み需要が徐々に顕在化することに加え、改元や大型連休による特需への期待が、小売業やサービス業の景況感を押し上げる要因となろう。また、オリンピックやインバウンド対応需要も、引き続き改善の押し上げに寄与するとみている。一方で、労働需給のひっ迫に伴う人件費上昇や人手不足による供給制約は引き続き下押し要因となるだろう。1月以降の原油価格の上昇が徐々に仕入価格に波及していくこともマイナス材料だ。加えて、先述した海外環境の悪化が国内景気に波及する懸念が広がることで、幅広い業種で先行きの景況感が下押しされ、全体としては小幅に悪化するとみている。
ニッセイ基礎研+13
+21
<▲3.9%>
先行きの景況感もさらなる悪化が見込まれる。今後、米中通商交渉に目処が付いたとしても、次は日本が米国の標的になる可能性が高い。日米通商交渉における自動車輸出規制や為替条項導入の要求といった米政権からの対日圧力の高まりが危惧される。また、英国のEU離脱問題についても引き続き難航が予想され、不透明感を払拭できない。非製造業についても、インバウンドを通じて世界経済との繋がりが強まっただけに海外情勢への懸念が現れやすいほか、人手不足深刻化への懸念も重荷になりそうだ。
一方、消費税率引き上げを控えた駆け込み需要やGWの10連休、中国政府が打ち出した景気対策の効果発現などへの期待が下支えになることで、先行きの景況感の大幅な悪化は回避されると見ている。
第一生命経済研+13
+22
<大企業製造業+4.4%>
先行きDIについては、企業が米中摩擦の長期化をどのくらい警戒しているかというシグナルになる。その点はよく読めないので、現状から先行きへ△2ポイント悪化(現状13→先行き11)とほぼ自然体で数字を置くことにした。金融市場では、4月にずれ込んだ米中協議がまとまることへの期待感が強いが、企業はもっと慎重に先行きをみていると考えられる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+16
+24
<大企業全産業▲0.7%>
日銀短観(2019年3月調査)の業況判断DI(最近)は、大企業製造業では、前回調査(2018年12月調査)から3ポイント悪化の16と、2四半期ぶりに悪化に転じると予測する。素材業種、加工業種ともに悪化するとみられるが、外需の弱さの影響をより強く受ける加工業種の悪化が目立つだろう。先行きについては、3ポイント悪化の13と、米中貿易摩擦の影響や世界経済の減速などを警戒して慎重な見方が示されよう。
三菱総研+15
+24
<▲2.9%>
先行きの業況判断DI(大企業)は、製造業が+13%ポイント、非製造業が+22%ポイントと、いずれも業況悪化を予測する。消費税増税前の駆け込み需要も見込まれることから国内経済は堅調持続が予想されるものの、米中貿易摩擦の影響が日本経済に波及するリスクや、中国を中心とする海外経済の減速度合い、今後開始される日米物品協定(TAG)交渉の行方などには警戒が必要であり、企業マインドの重しとなるであろう。

ということで、上のテーブルの日銀短観予想を見るまでもなく、昨年2018年12月調査から景況感は着実に後退しています。その主たる要因は世界経済のスローダウンです。そして、そのまた主因は米中間の貿易摩擦と考えるべきです。ですから、多くのシンクタンクでも外需依存の高い製造業の方が景況感の低下が大きいと予想しています。ただ、もうひとつ注目すべきは、DIですのでレベルはさほど重要ではないとはいうものの、まだ水準として大企業製造業の業況判断DIはプラスを続けている点です。また、設備投資計画を見ると、シンクタンクによりややばらつきはあるものの、まあ、こんなもんだという気がします。ちょうど1年前の2018年度計画が▲1%を割るようなところから始まったのが異例なんだろうと思いますので、昨年度と比較するのはそれほど意味があるとも思えません。ただ、2019年度については、世界経済とともに10月から消費増税が予定されていますので、とりわけ不透明感が強いと私は考えています。先行きのついてこれほど信頼感ない年も久し振りな気がします。
下のグラフは業況判断DIの推移を日本総研のリポートから引用しています。

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