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2019年4月23日 (火)

企業向けサービス価格指数(SPPI)は3月統計でも人手不足で+1%超の上昇率!

本日、日銀から3月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で見て10か月連続の+1%以上の+1.1%を示しています。1.1%は前月と同じ上昇率で、64か月連続の前年同月比プラスを記録しています。まず、時事通信のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

企業サービス価格、1.2%上昇=18年度
日銀が23日発表した2018年度の企業向けサービス価格指数(速報値、10年平均=100)は、前年度比1.2%上昇の105.1だった。プラスは6年連続で、消費税増税の影響を除けば、1992年度以来26年ぶりの高い伸び率。人手不足が各種サービスの値上げにつながった。
項目別では、人件費高騰で道路貨物輸送が3.4%、燃料高により外航貨物輸送が11.1%それぞれ上昇した。このほか、労働者派遣サービス、土木建築サービス、警備がいずれも2~3%台の上昇となり、労働力不足が深刻な業種で大きく伸びた。

いつもの日経新聞がニュースとして取り上げていなかったので、時事通信のサイトから引用しました。年度の統計だけに着目して、3月統計には何も触れていませんが、まあ、こんなもんでしょう。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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繰り返しになりますが、企業向けサービス価格指数(SPPI)の前年同月比上昇率は昨年2018年6月から今年2019年2月統計まで10か月連続で+1%に達しています。その直前の5月の+0.9%の前の4月も+1.0%でしたので、昨年度2018年度の12か月間、ほぼほぼ+1%に達する水準をキープしていたことになります。加えて、6年近い69か月連続でプラスを維持ています。また、国際運輸を除くコアSPPIも3月統計では前年同月比で+1.1%の上昇を示しています。先月統計から3月統計にかけての差が大きかったのは、テレビ広告などの広告が+0.12%の前年比寄与度前月差があり、リース・レンタルが+0.04%、土木建築サービスなどの諸サービスが+0.03%などとなっており、景気に敏感な広告と人手不足に敏感な諸サービスなどが目立っています。他方で、石油価格に連動する面が大きいとみられる運輸・郵便は前月からのプラス幅は縮小し、前年比寄与度前月差は▲0.02%のマイナスを記録しています。しかし、運輸・郵便も2月統計から3月統計にかけての差はマイナスなんですが、3月統計でも前年同月比そのものは+2.0%の上昇を示しており、ここでも人手不足の影響が見られると考えるべきです。というのは、極めて大雑把な概観ですが、一般的な人手不足もさることながら、資格や免許が必要で専門性が高く短期の労働供給増が難しい職種、あるいは、何らかの労働条件の厳しい職種における人手不足がその業種のサービス価格を押し上げている印象があり、運輸・郵便などは前者に相当します。もっとも、前者の資格・免許必要な職種は短期にはゼロサムに近い一方で、後者については労働条件のひとつである賃金引き上げで労働需要を満たすことができる可能性があるわけです。ただ、景気に敏感な広告は3月統計こそ前年同月比で+2.7%と、サービス価格の押し上げ要因となりましたが、2月統計では+1.0%でしたし、テレビ広告は2~3月には2か月連続して前年同月比マイナスを記録しています。いずれにせよ、4月統計で年度替わりの価格改定動向にも注目したいと私は考えています。

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