帝国データバンク調査による企業のアベノミクスの評価やいかに?
やや旧聞に属する話題かもしれませんが、ちょうど1週間前の4月11日に帝国データバンクから、「2019年度の業績見通しに関する企業の意識調査」が明らかにされ、その中に、アベノミクスに関する企業の評価が2年連続で低下している、との結果も示されています。pdfの全文リポートから簡単にグラフとテーブルを引用して取り上げておきたいと思います。
まず、上のグラフはリポートから アベノミクスへの評価分布 を引用しています。ただ、その前に、グラフやテーブルは引用しませんが、ここ数年の企業によるアベノミクスの評価を簡単に振り返ると、グラフエリアの左上にある通りであり、2016年3月調査では100点満点の60.3点、202017年3月調査では63.1点で直近のピークを付け、2018年3月調査では62.4点、そして、今回2019年3月調査では61.8点となっています。その分布が上のグラフの通りとなっており、30点未満の極端な評価が平均点を引き下げているとはいえ、平均の60点台よりも、分布としては70点台の評価を付ける企業数がもっとも多いのが見て取れます。まあ、50点台も少なくないので、平均で60点台、というのがよく理解できます。さらに、これもグラフの引用はしませんが、今年2019年3月調査で企業規模別に見て、大企業63.5点、中小企業61.3点、小規模企業60.7点と、規模が大きいほどアベノミクスの評価が高くなっています。
次に、上のテーブルはリポートから 企業の意見 (アベノミクスについて) を引用しています。高評価ではマインド的に「景気の高揚感」を指摘したり、利益を出しやすくなった点などが上げられている一方で、やっぱり、恩恵は大企業のみであり、中小企業は雇用悪化、販売価格の抑制、仕入単価の上昇に直面している、といった意見もあります。また、平均的な60点以上の評価の中にも、個人消費の活性化に厳しい見方や地域経済はそれほどよくない、とする指摘もあります。自社や産業の動向に大きく左右されるんでしょうが、当然ながら、ほぼすべてが真実なんだろうと私は受け止めています。
最後に、リポートの本来のフォーカスは、あくまで、「2019年度の業績見通しに関する企業の意識調査」なんですが、ここでは本来テーマは無視してアベノミクスの評価だけを取り上げています。悪しからず。
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