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2019年4月26日 (金)

基調判断が下方修正された鉱工業生産指数(IIP)と小売業販売が底堅い商業販売統計と完全雇用に近づく雇用統計!

本日、経済産業省から鉱工業生産指数(IIP)商業販売統計が、また、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、それぞれ公表されています。いずれも3月の統計です。鉱工業生産指数は季節調整済みの系列で前月から▲0.9%の減産を示し、また、商業販売統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+1.0%増の12兆7960億円、季節調整済み指数の前月比は+0.2%増を記録しています。失業率は前月から+0.2%ポイント上昇したものの2.5%と低い水準にあり、有効求人倍率も前月と同じ1.63倍と、タイトな雇用環境がうかがえます。まず、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

3月の鉱工業生産、0.9%低下 在庫指数は基準年15年以来最高
経済産業省が26日発表した3月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み、速報値)は前月比0.9%低下の101.9だった。低下は2カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中心値(0.1%減少)を下回った。在庫指数は1.6%上昇の104.0と基準年となる2015年以降では最高となった。
経産省は生産の基調判断は「生産は足踏みをしている」から「生産はこのところ弱含み」に下方修正した。「弱含み」という表現は15年8月以来。
業種別では、15業種中7業種で低下した。自動車工業が3.4%減少、半導体製造装置などを含む生産用機械工業が6.7%減少して全体を下押しした。中国経済の減速による輸出減が影響した。
一方、半導体メモリーなど電子部品・デバイス工業は5.8%増加した。汎用・業務用機械工業や無機・有機化学工業も増加した。
出荷指数は0.6%低下の101.6と2カ月ぶりに低下した。自動車工業、生産用機械工業、金属製品工業など9業種で低下した。
在庫指数について経産省は「やや積み上がっている印象」と話した。15業種中12業種で上昇した。
1~3月期の生産指数は前の期比2.6%低下の102.3だった。低下幅は消費税増税直後の14年4~6月期(2.9%低下)以来の大きさだった。
製造工業生産予測調査によると、4月は2.7%上昇、5月は3.6%の上昇だった。4月は3月に減少した輸送機械工業、生産用機械工業が反動で上昇する見通し。5月は輸送機械工業、電気・情報通信機械工業などが上昇する見込み。経産省は「企業は増産していく強気の見通しだ」と説明した。
同予測は下振れしやすく、経産省が予測誤差を除去した先行きの試算は4月は0.5%低下だった。
3月の小売販売額、1.0%増 機械・自動車販売が堅調
経済産業省が26日発表した3月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比1.0%増の12兆7960億円だった。経産省は小売業の基調判断を「一進一退の小売業販売」に据え置いた。
業種別で見ると、スマートフォンや洗濯機、冷蔵庫などの売れ行きが好調で、機械器具小売業が5.5%増だった。新型車の販売も堅調で、自動車小売業は2.3%増となった。
大型小売店の販売額については、百貨店とスーパーの合計が1.0%増の1兆6552億円だった。既存店ベースでは0.6%増だった。コンビニエンスストアの販売額は1.6%増の1兆126億円だった。
正社員の求人倍率、最高の1.13倍 18年度
厚生労働省が26日発表した2018年度の有効求人倍率は、正社員が1.13倍と集計を始めた05年度以降で最高だった。2年連続で求人が求職を上回り、人手不足を背景にした求人増が正社員に広がっていることが鮮明になった。パートタイマーなどを含めた全体でも1.62倍と9年連続で上昇し、高度経済成長期の1973年度以来45年ぶりの高水準となった。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人に何件の求人があるかを示す。3月は正社員が前月比0.01ポイント上昇の1.16倍(季節調整値)となり、2カ月連続で過去最高を更新した。パートタイマーなどを含む全体では1.63倍(同)で横ばいだった。
総務省が同日発表した18年度の完全失業率は17年度比0.3ポイント改善し2.4%だった。1992年度以来26年ぶりの低水準で、失業率が3%を下回る「完全雇用」の状態が続いている。完全失業者数は同17万人減の166万人。就業者数は同115万人増の6681万人だった。
ただ、足元の求人には足踏みも見られる。3月の新規求人数は前年同月比6.0%減少。サービス業や製造業を中心に、全ての産業で求人が減った。厚労省では前年同月に大型の求人があった影響なども含め「今後を注視したい」としている。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がしますが、さすがに、数多くの統計を並べるとやたらと長くなってしまいました。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2015年=100となる鉱工業生産指数そのものであり、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷のそれぞれの指数です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた期間は景気後退期を示しています。

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まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、わずかながら減産が見込まれていましたので、その減産幅を超える低下を記録し、統計作成官庁である経済産業省では生産の基調判断を「足踏み」から「このところ弱含み」に下方修正しています。製造工業生産予測調査は4月+2.7%、5月+3.6%のそれぞれ増産を示していますが、上方バイアスを考慮した4月の試算値は▲0.5%の減産とされています。また、3月統計が利用可能となりましたが、1~3月期の生産は前期比▲2.6%の大幅な低下となっています。3月統計では、電子部品・デバイス工業、汎用・業務用機械工業、無機・有機化学工業などで上昇が見られましたが、自動車工業、生産用機械工業、金属製品工業などでは減産でした。基本的には、中国やアジアをはじめとする海外経済の低迷に起因する輸出の伸び悩みから生産が影響を受けているものと考えるべきですが、特に、我が国のリーディング・インダストリーである自動車については3月の国内新車販売台数の減少なども要因と考えられます。また、私には生産現場の実情はよく判らないんですが、4月から5月にかけて、というか、明日から始まる10連休による生産の一時的な供給サイドからの停滞は、どこまで製造工業生産予測調査に織り込まれているんでしょうか。上方バイアスが強いとはいえ、やや4~5月の増産の数字が10連休があるにしては大き過ぎると感じるのは、私だけなんでしょうか。4月は連休向けに在庫積み増しがあるとしても、特に、5月の予想は業種別で見てもほとんどが増産を見込んでいて、やや疑問です。もちろん、中国経済はインフラ投資をてこに、底入れに向かっているとの見方もありますので、生産は年央ころからゆっくりと回復に回帰する可能性は十分あると私は予想しています。

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続いて、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのままを、それぞれプロットしています。影を付けた期間は鉱工業生産指数(IIP)のグラフと同じく景気後退期です。ということで、生産が減産を続けているにしては、消費は底堅いと私は受け止めています。しかしながら、1月の落ち込みからの回復はまだ物足りないところもあり、統計作成官庁である経済産業省では小売業販売についてはの基調判断を「一進一退」としています。電機製品を含むカテゴリーである機械器具小売業が前年同月比で+5.5%増を示したほか、注目の自動車販売は前年同月比ではまだプラスを続けていますが、3月の新車販売が減少したわけで、季節調整済の系列では自動車は前月比マイナスとなっています。今週月曜日4月22日に取り上げたように、今夏のボーナスは伸び悩むんではないかと予想されており、消費拡大につながるだけの力強さはないかもしれません。いずれにせよ、10月の消費税率引き上げが、そろそろ、視野に入り始めることから、駆け込み需要は日用品が多くを占めるとはいえ、大物消費のかく乱要因となる可能性は否定できません。

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続いて、いつもの雇用統計のグラフは上の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、上から順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。影を付けた期間は景気後退期を示しています。失業率は2.5%を記録し、有効求人倍率も1.63倍と高い水準にあります。加えて、グラフはありませんが、正社員の有効求人倍率も前月から上昇して1.16倍を記録し、一昨年2017年6月に1倍に達してから、このところ2年近くに渡って1倍を超えて推移しています。厚生労働省の雇用統計は大きく信頼性を損ねたとはいえ、少なくとも総務省統計局の失業率も低い水準にあることから、雇用はかなり完全雇用に近づいており、いくら何でも賃金が上昇する局面に入りつつあると私は受け止めています。もっとも、賃金については、1人当たりの賃金の上昇が鈍くても、非正規雇用ではなく正規雇用が増加することなどから、マクロの所得としては増加が期待できる雇用状態であり、加えて、雇用不安の払拭から消費者マインドを下支えしている点は忘れるべきではありません。ただ、賃上げは所得面で個人消費をサポートするだけでなく、デフレ脱却に重要な影響を及ぼすことから、マクロの所得だけでなくマイクロな個人当たりの賃上げも早期に実現されるよう私は期待しています。

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