« 甲子園でセリーグ王者の広島に逆転勝利!!! | トップページ | 打撃戦を制して甲子園で広島に連勝!!! »

2019年7月 6日 (土)

雇用増が回復した6月の米国雇用統計から米国金融政策はどう動くのか?

日本時間の昨日、米国労働省から6月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数は前月統計から+224千人増と雇用の増加が回復した一方で、失業率は先月から0.1%ポイント上昇したものの3.7%と歴史的に見ても低い水準を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、USA Today のサイトから、長くなりますが、記事を10パラ引用すると以下の通りです。

June jobs report: Economy adds 224,000 jobs, easing recession fears
Hiring rebounded strongly in June as employers added 224,000 jobs, easing recession fears and posing a dilemma for a Federal Reserve that's expected to cut interest rates later this month.
The unemployment rate ticked up from its 50-year low of 3.6% to 3.7%, the Labor Department said Friday. Payroll gains for May were revised down to 72,000 from 75,000.
Economists surveyed by Bloomberg expected 160,000 job gains.
"Today's jobs report shows the U.S. economy continues to create jobs at a strong pace even as we enter the longest period of economic expansion on record," said Tony Bedikian, managing director and head of global markets at Citizens Bank in an email.
"The bounce back in the June jobs number may splash cold water on the notion of an imminent Fed rate cut," he added. "We will have to see whether the equity markets can shrug that off when balanced against other macroeconomic factors, such as the hope of a China trade truce."
White House press secretary Stephanie Grisham celebrated the report in a tweet, saying "Thanks to President Trump, America's economy is stronger than ever!"
Economists eagerly awaited the June jobs report after the weak May total stirred recession concerns. Another anemic showing would have amplified those worries but this robust performance underscores that the May number overstated an anticipated cooling in hiring.
Payroll gains are expected to moderate from a monthly average of 223,000 in 2018 to about 160,000 this year as the effects of federal tax cuts and spending increases fade and the low unemployment rate makes it harder to find qualified workers. But a more dramatic slowdown could fuel fears that the trade conflict is having an even bigger impact on hiring or that an economic downturn may be on the horizon.
The Fed, meanwhile, has signaled that it could lower its key short-term interest rate as soon as this month to head off a possible recession amid the Trump administration's trade war with China and a slowing global economy. Markets have priced in a 100% chance of at least a quarter-point rate cut at the Fed's July 30-31 meeting.
This healthy jobs report, however, could give the Fed pause.

やや長く引用してしまいましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは上の通りです。上のパネルから順に、非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門と失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

photo

ということで、引用した記事の3パラめにあるように、ブルームバーグの集計による市場の事前コンセンサスでは+160千人増とのことでしたので、これを大きく上回りました。先月5月の雇用増が+72千人でしたから、6月の+224千人増は雇用増が回復し、米国労働市場がかなり完全雇用に近い状態にあることを裏付けていると考えるべきです。ただし、というか、何というか、ADP統計では先月5月の+41千人増に対して、6月も+102千人増にとどまっており、米国労働省の雇用増ほどは増加幅が大きくありません。これも、先月の統計公表時にこのブログで頭の体操をしたように、完全雇用に近ければ労働スラックも尽きかけており、雇用増すら小幅にとどまり、賃金が大きく上昇する、という局面に入ってもおかしくないのかもしれません。下のグラフに見られる通り、もちろん、現実には、そこまで賃金が上昇しているわけではありませんから、労働スラックが尽きているわけではありません。というように、かなりビミョーな局面で、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FED)が金融政策運営で、どのような判断を下すのかに注目が集まっています。

photo

ということで、上のグラフは時間あたり賃金上昇率の推移を前年同月比で見ています。昨年2018年8月に賃金上昇率が+3%に達してから、ほぼほぼ1年の11か月連続で賃金上昇率が3%か3%超を記録しています。先月6月18~19日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用などの米国の国内情勢というよりは、中国との貿易摩擦や世界経済の減速などを背景に、利上げをストップし、金融緩和に転じる動きを見せましたが、次回今月7月30~31日のFOMCでは利下げに転じると見られており、特に、金融先物市場ではほぼ100%利下げが織り込まれています。ただ、FOMCメンバーは必ずしも次回FOMCでの利下げで一枚岩かというとそんなことはなく、6月のFOMCでメンバー17人が示した2019年中の年内の利下げを主張した8人に対して、同じく8人は現状維持を予測し、利上げを予想するメンバーすら1人いました。公表されたばかりの6月の米国雇用統計の底堅さは、金融緩和に慎重な「タカ派」の方向に傾く可能性をもたらしそうで、もしもFOMCメンバー間の意見集約が遅れれば、7月FOMCでの利下げが見送られる可能性もゼロではありません。

来週7月10日には、FEDパウエル議長が米国議会下院で議会証言に臨む予定となっていて、それはそれで注目です。このブログで従来から私が指摘しているように、現状の我が国経済の最大の下振れリスクは為替です。米国が利下げに転じれば、円高を防止するために日銀はさらなる金融緩和を模索することになるかもしれません。

|

« 甲子園でセリーグ王者の広島に逆転勝利!!! | トップページ | 打撃戦を制して甲子園で広島に連勝!!! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 甲子園でセリーグ王者の広島に逆転勝利!!! | トップページ | 打撃戦を制して甲子園で広島に連勝!!! »