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2019年8月30日 (金)

増産に転じた鉱工業生産指数(IIP)と減少に転じた商業販売統計とタイトな労働市場を反映する雇用統計!

本日、経済産業省から鉱工業生産指数(IIP)商業販売統計が、また、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、それぞれ公表されています。いずれも7月の統計です。鉱工業生産指数は季節調整済みの系列で前月から+1.3%の増産を示した一方で、商業販売統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比▲2.0%減の12兆1650億円、季節調整済み指数も前月から▲2.3%減を記録しています。他方、失業率は前月から▲0.1%ポイント低下して2.2%とバブル経済崩壊直後からほぼ四半世紀ぶりの低い水準にあり、有効求人倍率は前月から▲0.02ポイント低下したものの1.59倍と、タイトな雇用環境がうかがえます。まず、長くなるんですが、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産1.3%上昇 7月、反発力は弱く
経済産業省が30日発表した7月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み、速報値)は前月比1.3%上昇の102.7だった。上昇は2カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中心値(0.3%上昇)を上回った。6月に大幅に低下した反動が見られたが反発力は弱かった。
経産省は生産の基調判断は「生産は一進一退」を据え置いた。
業種別では、15業種中11業種で上昇した。前月に8.4%減少した自動車工業は2.1%上昇だった。乳液・化粧水類などを含む化学工業は新商品発売もあり4.7%上昇した。パルプ・紙・紙加工品工業は7.4%上昇した。
一方、無機・有機化学工業は3.9%低下、石油・石炭製品工業は3.8%低下した。
出荷指数は2.6%上昇の102.4と2カ月ぶりに上昇した。鋼船や航空機用発動機部品など自動車を除く輸送機械工業が40.0%増加した。
高水準にある在庫は0.3%低下の104.4と6カ月ぶりに低下した。
製造工業生産予測調査によると、8月は1.3%上昇、9月は1.6%の低下だった。経産省は「生産計画からは消費増税前の駆け込み需要を見込んでいるとは読み取れない」と説明している。
同予測は下振れしやすく、経産省が予測誤差を除去した先行きの試算は8月は0.7%低下だった。
7月の小売販売額2%減 21カ月ぶり減少 基調判断「一進一退」に下げ
経済産業省が30日発表した7月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比2.0%減の12兆1650億円と、21カ月ぶりに減少に転じた。経産省は小売業の基調判断を「一進一退の小売業販売」へと下方修正した。
業種別で見ると、9業種のうち6業種でマイナスとなった。7月は天候不順で例年に比べ気温が低かったことからエアコンの売れ行きが伸びず、「機械器具小売業」が8.1%減となった。「燃料小売業」は原油相場が下落したことを受けて6.0%減だった。
大型小売店の販売額については、百貨店とスーパーの合計が4.5%減の1兆6242億円だった。既存店ベースでは4.8%減だった。コンビニエンスストアの販売額は1.3%減の1兆760億円と、13年2月以来6年5カ月ぶりに減少に転じた。天候不順でアイスクリームなどの加工食品の販売が振るわなかった。
7月の有効求人、3カ月連続で低下 製造業など減速
厚生労働省が30日に発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べて0.02ポイント低下し、1.59倍だった。3カ月続けて前月を下回った。総務省が同日発表した失業率(同)は同0.1ポイント低下し2.2%と、26年9カ月ぶりの低水準だった。雇用情勢は全体では底堅いが、製造業などの一部の業種で採用に慎重な動きが出ている。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人に対し、企業からの求人が1人当たり何件あるかを示す。有効求人倍率が1.6倍を割り込むのは1年4カ月ぶりだ。正社員の有効求人倍率も1.14倍と前月から0.01ポイント低下。雇用の先行指標となる新規求人倍率も同0.02ポイント低下し2.34倍だった。
新規求人数は前年同月比2.5%増の98万223人となった。業種別では人手不足の建設業や医療・福祉業などが増加した。一方、半導体関連の市況悪化の影響などで製造業は同5.9%減と6カ月続けて減った。
失業率は1992年10月以来の低水準となった。完全失業者数は前年同月比16万人減の156万人で、2カ月連続で減少。就業者数は同71万人増の6731万人。女性や高齢者で働く人が増え、6年7カ月連続で増加した。

これだけの統計を並べると、とても長くなってしまいました。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2015年=100となる鉱工業生産指数そのものであり、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷のそれぞれの指数です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた期間は景気後退期を示しています。消費の代理変数である小売業販売額を中心に見ると、基本的には、7月の天候不順、というか、

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まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは小幅ながら+0.3%の増産なんですが、レンジでは▲0.6~+1.5%と広かったですから、上限を突き抜けての大きな増産とまでは考えられず、むしt、増産に転じたものの基調はまだ力強さにかける、と私は受け止めています。同時に、製造工業生産予測指数による先行き見通しについても、9月+1.3%の増産の後、10月は▲+1.6%の減産と見込んでいて、加えて、製造工業生産予測指数はバイアスの大きい統計であり、予測誤差の加工を行った補正値では9月▲0.7%の減産と試算されており、先行きも増産が続くかどうかは疑問が残ります。もちろん、生産が減速している大きな原因は米中間の貿易摩擦などに起因する世界経済の低迷にありますが、今年2019年年央に来て内需についても、決して、4~6月期GDP統計に示されたように、盤石ではないと私は感じ始めています。ひとつには、昨日取り上げた消費者態度指数ぬ示されているように、消費者マインドが長期に落ち続けており、加えて、賃金上昇が十分ではないわけですから、消費に陰りが見え始めても不思議ではありません。この後、商業販売統計で詳しく見ますが、8月の消費は天候要因もあるものの、かなり大きな落ち込みを見せました。

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続いて、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのままを、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期です。天候要因、すなわち、引用した記事にもあるように、長梅雨で気温が上がらずエアコンの売れ行きが伸びなかったことから機械器具小売業が▲8.1%減の大きな前年同月比マイナスを記録したほか、 織物・衣服・身の回り品小売業も夏物衣類の販売不振などから▲5.3減となっています。ただ、燃料小売業のマイナスについては国際商品市況における石油価格の下落を反映しているわけですから、懸念材料とはなりません。何といっても、マクロでボーナスをはじめとして賃上げが不十分で所得がそれほど増加しない上に、世界経済の動向の反映も含めて消費者マインドが低下し続けているわけですから、消費が増えるとはとても思えません。それに天候要因が加わりましたので、ウrのグラフのような大きな下振れにつながったと考えるべきです。ただ、9月に入れば、消費税率引き上げ直前の駆け込み需要が発生する可能性はあります。キュッシュレス決済に対するポイント還元がありますので、大物家電などよりも洗剤やトイレットペーパーなどの日用品かもしれませんが、私はそれなりに注目しています。

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続いて、いつもの雇用統計のグラフは上の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、上から順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。影を付けた期間は景気後退期を示しています。失業率は2%台前半まで低下し、有効求人倍率も1.59倍と高い水準を続けています。加えて、グラフはありませんが、正社員の有効求人倍率も前月と同じ1.14倍を記録し、一昨年2017年6月に1倍に達してから、このところ2年以上に渡って1倍以上の水準で推移しています。厚生労働省の雇用統計は大きく信頼性を損ねたとはいえ、少なくとも総務省統計局の失業率も低い水準にあることから、雇用はかなり完全雇用に近いタイトな状態にあると私は受け止めています。もっとも、雇用は生産の派生需要であり、生産が鉱工業生産指数(IIP)で代理されるとすれば、基調判断は「一進一退」であり、先行き、賃金上昇に直結するかどうかはビミョーなところです。加えて、今週火曜日の8月27日に日本政策金融公庫から8月調査の「中小企業景況調査」の結果が公表されていますが、ここ2~3か月で 従業員判断DIが急速な勢いで低下し、中小企業で人手不足感が大きく縮小し始めています。1990年代前半のバブル経済崩壊後はいうに及ばず、サブプライム・バブル崩壊後の景気後退局面でも、2007年年央から約2年後の2009年年央にかけて雇用指標が急速に悪化したのを忘れるべきではありません。すなわち、失業率はボトムだった2007年7月の3.6%から、ピークの2009年7月には5.5%まで、2%ポイント近く上昇しましたし、有効求人倍率もピークの2007年6月1.07倍から2009年8月のボトム0.42倍へ半減以下の減り方でした。繰り返しになりますが、雇用は生産の派生需要であり、人手不足による雇用のタイトさが賃金上昇をそれほどもたらしていない現状では、景気回復をどこまで下支えできるかは疑問です。

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