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2019年10月16日 (水)

IMF による「世界経済見通し」World Economic Outlook 見通し編を読む!

IMF・世銀総会が開催されていますが、日本時間の昨日10月15日、国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」IMF World Economic Outlook, October 2019 の見通し編が公表されています。副題が Global Manufacturing Downturn, Rising Trade Barriers ということで、かなり下方リスクを意識した内容となっています。まず、IMF Blog のサイトから成長率見通しの総括表を引用すると以下の通りです。なお、いつもの通り、テーブル画像をクリックすると、「世界経済見通し」IMF World Economic Outlook, October 2019 の見通し総括ページである pp.10-11 だけを抜き出したpdfファイルが別タブで開くようにしてあるつもりです。

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米中間の貿易摩擦や関税率引き上げに伴う世界経済の減速の影響がさらに大きく増して、2019年の成長率見通しが下方修正されています。結果として、世界経済の成長率は2019年3.0%、2020年3.4%と、半年前の2019年4月時点の見通しから2019年が▲0.3%ポイント、2020年も▲0.2%ポイントの下方修正となっています。2019年見通しの+3.0%成長というのは、リーマン・ショック後でもっとも低い成長率見通しに仕上がってしまっています。基本は、繰り返しになりますが、米中間の貿易摩擦が世界経済減速の最大の要因なんですが、加えて、ユーロ圏や中国において新排気ガス規制に伴う混乱などにより自動車生産がマイナスの影響を受けたり、また、先進国における生産性の伸び悩みや高齢化といった構造要因によっても、経済成長が下押しされていると指摘しています。2020年には世界経済の成長率は上向くと見込まれていますが、世界経済を牽引するのは新興国や途上国なんですが、そのうちほぼ半分が、アルゼンチン、イランやトルコなど、ストレスを抱えている新興国での景気回復、あるいは、景気後退が軽微であることで説明でき、残りの部分は、2018年と比べて2019年の成長率が大幅に低下した、ブラジルやインド、メキシコ、ロシア、サウジアラビアといった国々のリバウンドという要因ですから、米国、日本、中国といった経済大国が2019年から2020年にかけて成長率が減速するわけですので、不確実性が大きいと指摘しています。さらに、下振れリスクは目白押しで、米中間の貿易摩擦やBREXITの不確実性はいうまでもなく、湾岸地域の地政学要因も不安定です。マインド要因や新興国への資金フローなどがリスクとなる可能性も残されています。このため、金融政策はもちろんなのですが、財政政策も余裕あれば発動すべき、と指摘しています。最後に、世界経済の成長率が+3.0%にとどまるのであれば、まだまだ政策的な下支えが必要、と結論しています。

 【2019年7月判断】前回との比較【2019年10月判断】
北海道緩やかに回復している緩やかに拡大している
東北一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな回復を続けている一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな回復を続けている
北陸緩やかに拡大している緩やかに拡大している
関東甲信越輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられるものの、緩やかに拡大している輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられるものの、緩やかに拡大している
東海拡大している拡大している
近畿一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな拡大を続けている一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな拡大を続けている
中国緩やかに拡大している一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに拡大している
四国回復している回復している
九州・沖縄緩やかに拡大している緩やかに拡大している

最後に、昨日10月15日午後、日銀支店長会議にて「さくらリポート」が公表されています。上の通りで、横ばいないし上向きという結果なんですが、下振れリスクも少し意識され始めているような気もします。

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