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2019年10月 8日 (火)

消費税率引き上げで撹乱される景気ウォッチャーと黒字が続く経常収支!

本日、内閣府から9月の景気ウォッチャーが、また、財務省から8月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+3.9ポイント上昇の46.7を、先行き判断DIは▲2.8ポイント低下の36.9を、それぞれ記録し、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+2兆1577億円の黒字を計上しています。まず、とても長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の街角景気、先行き指数が5年半ぶり低水準
内閣府が8日発表した9月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、2~3カ月後の景気の良しあしを判断する先行き判断指数は36.9と前月から2.8ポイント低下した。3カ月連続で悪化し、前回の消費増税の前月にあたる2014年3月(33.5)以来、5年6カ月ぶりの低水準だった。10月の消費増税を前にした駆け込みによる需要の反動減や増税による買い控えへの懸念が高まった。
指数を構成する家計動向、企業動向、雇用関連のいずれもが低下した。小売業を中心に「増税後の売り上げが期待できない」(南関東の一般小売店)と、消費増税前の駆け込み需要の反動減を懸念する声が出ていた。増税前に高額商品が売れたことから消費者の買い控えを見込む声も出ていた。
一方で、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は46.7と同3.9ポイント上昇と、2カ月連続で改善した。家計動向や企業動向の改善が寄与した。消費増税前の駆け込みが特に家電量販店や百貨店などで見られたとの声があった。冷蔵庫や洗濯機、テレビのほか、化粧品や宝飾品などの比較的高額な商品の売れ行きが伸びたという。
今回の調査では消費税や増税に関するコメント数(現状判断)が548件と前回調査(229件)から大きく増えた。駆け込み需要に対するコメント数も前回(117件)から大きく増え、353件にのぼった。
内閣府はウオッチャーの見方について「このところ回復に弱い動きがみられる」に据え置いた。そのうえで「消費増税の駆け込み需要が一部にみられる」とのコメントを加えた。先行きについては「消費税率引き上げや海外情勢などに対する懸念がみられる」とした。
8月の経常黒字、黒字幅が18.3%拡大 貿易収支の黒字転換で
財務省が8日発表した8月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆1577億円の黒字だった。黒字は62カ月連続。黒字幅は前年同月に比べ18.3%拡大した。貿易収支が黒字転換したことが寄与した。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は509億円の黒字(前年同月は2556億円の赤字)だった。中国向け半導体等製造装置の輸出減などで輸出額が6兆808億円と前年同月比8.6%減少した一方、輸入額は原粗油などの輸入減で6兆299億円と12.7%減と大幅に減少した。輸入額の減少が輸出額の減少を上回り、貿易収支は黒字に転換した。
海外企業から受け取る配当金や投資収益を示す第1次所得収支は2兆2681億円の黒字だった。黒字幅は0.7%縮小した。配当金の受け取り減などで、証券投資収益の黒字幅が縮小したことが響いた。直接投資収益は9242億円の黒字と、8月として過去最高だった。
輸送や旅行といった取引の収支を示すサービス収支は233億円の黒字(同218億円の黒字)と、黒字幅がわずかに拡大した。訪日外国人客の消費単価が増えたことなどで旅行収支が1518億円の黒字と、8月として過去最高となったことが寄与した。第2次所得収支は1846億円の赤字(同2267億円の赤字)と赤字幅が縮小した

かなり長くなりました。これらの記事さえしっかり読めば、それはそれでOKそうに思えます。いずれにせよ、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、景気ウォッチャーのグラフは以下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。

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景気ウォッチャーについては、現状判断DIと先行き判断DIが方向性で大きく分かれました。最初にヘッドラインを引用したように、現状判断DIは大きく上昇し、先行き判断DIは低下しています。そして、この傾向を象徴するのが家計部門の小売関連と企業部門です。明らかに、家計部門の小売関連の動きは消費税率引き上げに対応したものであり、9月の時点では駆け込み需要が発生し売り上げ増が実現され現状判断DIが上昇した一方で、先行きについては駆け込み需要の反動減の予想から先行き判断DIが低下しているとしか考えられません。企業部門についても、先行き判断DIの大きな低下の大きな部分は非製造業で発生しています。製造業でも9月の現状判断DIがプラスで先行き判断DIがマイナスとなっているんですが、先行きマイナスが大きいのは非製造業となっています。少なくとも、こういった消費税率引き上げに伴う攪乱的な要因は従来から十分に予想されていたところであり、驚きはありません。消費者マインドを示す指標のうち、消費者態度指数は需要サイドの消費者のマインドを計測している一方で、景気ウォッチャーは供給サイドの事業者のマインドですから、消費者に比較してリスク中立、かつ、将来についてもそれなりに織り込んだ期待形成がなされているんではないかという気がしますが、それでも、現状は駆け込み需要でプラス、先行きは駆け込み需要の反動でマイナス、という結果になるようです。このあたりはもう少し均して見る必要がありそうです。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。いずれにせよ、仕上がりの8月の経常収支は最近ではやや大きな黒字なっており、海外からの第1次所得収支の黒字が大きな部分を占めている点については変わりありません。この8月経常収支の背景について見ると、国際商品市況における石油価格の低下に、我が国への輸入原油額が連動しており、貿易収支が黒字化しているためと考えるべきです。でも、この先、世界経済のいっそうの停滞が予想されるとともに、韓国向け輸出の動向も日韓関係の行方に左右される部分もあって不透明であり、貿易収支が黒字を続けるかどうかは判然としません。

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