消費税率引上げ前の駆込み需要で大幅増となった9月の商業販売統計!!!
本日、経済産業省から9月の商業販売統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+9.1%増の12兆5890億円、季節調整済み指数も前月から+7.1%増を記録しています。まず、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。
9月の小売販売額、9.1%増 14年3月以来の高い伸び率
経済産業省が30日発表した9月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比9.1%増の12兆5890億円と、2カ月連続で増加した。前回の消費増税直前の2014年3月以来の高い伸び率で、経産省は小売業の基調判断を「増加している小売業販売」に上方修正した。
業種別で見ると、9業種のうち8業種でプラスとなった。冷蔵庫やパソコンなどの家電を含む「機械器具小売業」が37.9%増と10年11月以来の伸び率となった。中古車など「自動車小売業」は16.9%増と14年1月以来の伸び率だった。経産省の担当者は今回の大幅な上昇について、パソコンの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」の20年1月のサポート終了など要因は様々あるとしたうえで「業界によっては消費増税に伴う駆け込み需要が出たとの声もあった」と説明した。
大型小売店の販売額については、百貨店とスーパーの合計が10.4%増の1兆6717億円だった。既存店ベースでは10.0%増だった。コンビニエンスストアの販売額は0.2%減の1兆203億円だった。
いつものように、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのままを、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期です。

少し前まで、今回の消費税率引上げに際しての駆込み需要は小さいと感じていたんですが、商業販売統計の9月の結果を見ると、要するに、大きな伸びは消費税率引上げ直前の駆込み需要なんでしょうね。それ以外に受け止めようがないんですが、それでも、小売業の基調判断を上方修正するのは、私にはまったく理解できません。10月統計で大きな反動減が見られたら、基調判断は下方修正するんでしょうか。よく判りません。小売業販売学を季節調整していない原系列の統計で見て、前年同月比伸び率が高いのは、家電などを含む機械器具小売業の+37.9%増、自動車小売業+16.9%増、日用品などの医薬品・化粧品小売業+16.4%増などとなっています。業態別に見ると、コンビニが▲0.2%の減となった一方で、百貨店が+22.1%増、スーパーが+5.4%増、また、家電大型専門店が+52.4%増、ドラッグストアも+21.8%増ですから、これも駆込み需要をうかがわせる結果となっています。来月統計に注目しつつ、そこまで待たなくても、明日公表予定の消費者態度指数に見られる消費者マインドにも注目したいと思います。
| 固定リンク
« リクルートジョブズによる9月のアルバイト・パート及び派遣スタッフの賃金動向やいかに? | トップページ | 弱い動きの続く鉱工業生産指数(IIP)と2年振りに前月を上回った消費者態度指数と見通しの下方修正続く日銀「展望リポート」!!! »
コメント