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2019年12月12日 (木)

4か月連続で前月を下回り基調判断が下方修正された機械受注をどう見るか?

本日、内閣府から10月の機械受注が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比▲6.0%減の7988億円を示しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

機械受注6.0%減 10月、基調判断引き下げ
内閣府が12日発表した10月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比6.0%減の7988億円だった。製造業・非製造業ともに幅広い業種で投資需要が減少した。4カ月連続で前月を下回っていることから、内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」に引き下げた。
受注額はQUICKがまとめた民間予測の中央値(0.9%増)を大幅に下回った。製造業は1.5%減で、10月まで3カ月連続で減少した。海外経済の減速に伴い外需の縮小が続き、生産や情報通信に使う機械の需要が減った。
非製造業は5.4%減で、2カ月ぶりに減少した。農林漁業では10月の消費税率引き上げ後にトラクターなど農林用機械への投資を減らす動きがみられ、需要が約3割減少した。情報サービス業や通信業からの受注減もマイナスに大きく寄与した。内閣府は「農林漁業は例外的な動きで、全体としては消費増税の影響で機械受注が落ち込んだことはない」とした。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、電力と船舶を除くコア機械受注の季節調整済みの系列の前月比の中央値は+1.0%増であり、レンジでは▲5.0~+3.5%でしたから、わずかとはいえ、下限をさらに下回る大きな減少でした。しかも、4か月連続の前月割れですので、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「持ち直しの動き」を削除して、「足踏みがみられる」に半ノッチ下方修正しています。また、上のグラフにも見られる通り、受注水準としてもコア機械受注の8000億円割れは2015年年央の7~8月以来の低水準となっています。加えて、10月統計ではコア機械受注のうちの製造業と非製造業(船舶と電力を除く)がともに前月比マイナスで、特に、米中間の貿易摩擦に起因する世界経済の停滞を受けて、製造業では3か月連続のマイナスを記録しています。先月統計の公表時に10~12月期のコア機械受注は季節調整済み系列の前期比で+3.5%増と見込まれていたんですが、とても厳しい四半期スタートとなっています。引用した記事の最後の方で、内閣府の公式見解として、消費増税で機械受注が落ちたわけではない旨の発言が収録されていますし、台風19号の影響もご同様で機械受注への影響はそれほどないものと私には見えるのですが、そうであれば、何ともいえないながら、世界経済の低迷を反映して、我が国経済も停滞の方向に向かっている可能性があるのかもしれません。

ただ、明るい話題、というわけでもないんでしょうが、今週月曜日の12月9日に公表された経済協力開発機構(OECD)の先行指標 CLI=Composite Leading Index を見ていると、あるいは、ひょっとしたら、何と申しましょうかで、中国については少し前から景気反転の兆しがあり、また、米国とOECD加盟国の先進国ではも2019年9月を底に10月から景気が反転し上昇に転じた可能性があるような気がしないでもありません。リポートの3ページ目のテーブルを基にしつつ、私個人の希望的観測を込めた楽観的な見方です。念のため。

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