上原ひろみ10年ぶりのソロアルバム「Spectrum」を聞く!
師走も押し詰まったところですが、10年ぶりのソロアルバムとなる上原ひろみ Spectrum を聞きました。私が上原ひろみの新しいアルバムを聞いたのは2016年のトリオ・プロジェクト一環の Spark から3年ぶりです。この3年間に、ソロでもトリオでもなく、矢野顕子とのデュエットで「ラーメンな女たち -LIVE IN TOKYO-」とハープ奏者エドマール・カスタネーダとのデュオ「ライブ・イン・モントリオール」がリリースされているんですが、ややパスかなあと考えてしまいました。定年退職で年収が大きく減少し、音楽リソースにつぎ込める余裕がなくなったのも事実です。といった暗い話は別にして、 Spectrum の9曲の構成は以下の通りです。なお、ボーナスCDのついていない通常版です。
- Kaleidoscope
- Whiteout
- Yellow Wurlitzer Blues
- Spectrum
- Blackbird
- Mr. C.C.
- Once in a Blue Moon
- Rhapsody in Various Shades of Blue (Medley)
- Sepia Effec
10年ぶりのソロアルバム、という宣伝文句ですから、その10年前のソロアルバムは Place to Be とういことで、そのタイトル曲は映画『オリヲン座からの招待状』のメインテーマでした。私は、浅田次郎の原作小説も読みましたし、宮沢りえ主演の映画も見ました。でも、ついつい、上原ひろみのソロを聞くと、大昔のコルトレーンのシーツ・オブ・サウンドを思い出すくらいに、びっしりと切れ目なく音が連なっているような気がして、これら2つのソロ・アルバムについては私はそれほど評価しません。師匠筋に当たる、というか、彼女を見出したチック・コリアなんぞはソロでも素晴らしいピアニストですし、ハービー・ハンコックもご同様な一方で、コリアとひろみのデュオ・アルバム「デュエット」も素晴らしい出来だったと私は感じていますが、どうも、私には上原ひろみのソロはピンと来ません。いわゆる新主流派でチック・コリアやハービー・ハンコックと同じ世代のピアニストにキース・ジャレットがいますが、あくまで私の想像ながら、コリアやハンコックにソロではかなわないと思ったのか、キース・ジャレットが独特のソロ・ピアノの領域を開拓したのはよく知られている通りです。独特のソロ・ピアノに進んだのは、まあ、比較されたくないと感じたのも一因ではないか、との私独自のゲスの勘繰りです。話がヘンな方向に逸れてしまいましたが、それでも、私のように、上原ひろみのファンであり、ジャズ・ピアノに大きな興味持つ向きには聞いておくようにオススメします。といいつつ、私は上原ひろみの次のトリオのアルバムを待ちたいとも思います。
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