キャッシュレス決済に関するMMD研とビザ・ジャパンの調査
とても旧聞に属する話題ですが、ちょうど1週間前の1月20日にビザ・ワールドワイド・ジャパンとMMD研究所が共同で実施した「【第1弾】2020年キャッシュレス・消費者還元事業における利用者実態調査」の結果が明らかにされています。各社のニュースリリースは以下の通りです。
続いて、ビザ・ワールドワイド・ジャパンのサイトから調査結果のTOPICSを7点引用すると以下の通りです。
TOPICS
- 「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知・理解は進んでいるか?
⇒キャッシュレス・消費者還元事業の認知は約9割、内容の理解は約6割- 「キャッシュレス・消費者還元事業」を知ったチャネルは何だったのか?
⇒認知キッカケはテレビのニュース番組が最多。CMも含めると約5割がテレビ- 「キャッシュレス・消費者還元事業」でキャッシュレス決済での支払いは変化があったのか?
⇒「キャッシュレス決済の支払いが増えた」が約4割- 「キャッシュレス・消費者還元事業」が始まる前後(10月1日以前と以降)で支払い方法の種類に変化は?
⇒クレジットカードが9割近い利用率を維持、スマホ決済(QR・非接触)が増加- 最も利用している「キャッシュレス決済」は?
⇒ 最も利用するキャッシュレスは「クレジットカード」が52.0%、次いで「カード型電子マネー」が19.2%、「QRコード決済」が18.2%- キャッシュレス決済の利用が増えた場所は?
⇒キャッシュレスの利用場所TOP3は「コンビニ」、「スーパーマーケット」、「ドラッグストア」- キャッシュレス決済から想起すること、普及体感、期待は?
⇒キャッシュレス決済のイメージは「クレジットカード」、普及の体感は48.9%、期待は54.9%
いくつかグラフを引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。
続いて、上のグラフは、ビザ・ワールドワイド・ジャパンのサイトから 諸飛車還元事業前後の決裁利用 を引用しています、というか、前と後の2つのグラフを連結しています。見れば判ると思いますが、消費者還元事業前後の支払い方法として、当然トップの「現金」を別にしてキャッシュレス決済の中では、依然として、「クレジットカード」が高い利用率なんですが、消費者還元事業の前後で変化なく、変化の幅で見れば、「QRコード決済」は10%ポイントの増加を見せています。「クレジットカード」をはじめ、「カード型電子マネー」などの他のキャッシュレス決済は統計的に有意な差が出ているようには見えません。
さらに、上のグラフは、ビザ・ワールドワイド・ジャパンのサイトから 消費者還元事業後のキャッシュレス決済利用が多くなった場所 を引用しています。消費税増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業は、基本的に、政府施策としては中小企業対象だったハズなんですが、政府施策ではない企業独自のポイント還元が少なくなく、むしろ、日用品を扱う大手チェーンストアでの利用が促進され、幅広くキャッシュレス決済を利用する人が増える方向にあることが見て取れます。
私は、エコノミストとして、高額紙幣とか現金決済は金融腐敗や、場合によっては、犯罪の温床になりやすいと危惧しています。スマホへの依存を強めたり、セキュリティ上の懸念は残りますし、実際に、セブンイレブンが大きくコケた例もあったりしますが、高額紙幣での現金決済をいかに減らすかについても、政府や日銀の積極的な取組が必要だと考えています。
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