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2020年2月14日 (金)

昨年2019年10-12月期の1次QE予想はマイナス成長確定か?

1月末の鉱工業生産指数(IIP)の公表などを終えて、ほぼ必要な指標が利用可能となり、来週月曜日2月17日に昨年2019年10~12月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定です。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。消費税率の引上げ直後ですので、当然のように10~12月期はマイナス成長ながら、可能な範囲で、足元から先行きの景気動向について重視して拾おうとしています。今回は、新型コロナウィルスに注目が集まっています。いずれにせよ、詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲1.0%
(▲3.9%)
2020年1~3月期を展望すると、消費増税や台風などによる一時的影響が剥落するにつれて、消費・生産活動は持ち直す見込み。堅調な所得環境、世界的なIT需要の回復など、内外景気のファンダメンタルズは上向き方向。もっとも、新型肺炎に伴う訪日中国人の大幅減少により、成長率は前期比ゼロ近くまで下振れる可能性。
大和総研▲0.9%
(▲3.5%)
先行きの日本経済は、潜在成長率を若干下回る低空飛行を続ける公算が大きい。
個人消費は、消費増税前の駆け込み需要の反動減が緩和することで、2020年1-3月期は持ち直すとみられる。消費増税に伴う物価上昇による家計の購買力低下は消費の下押し要因となるものの、当面は各種経済対策の効果もあり底堅く推移すると考えられる。ただし、多くの経済対策は時限付きのものであるため、春以降は段階的に対策効果が剥落し、消費がいくらか抑制されることで一進一退での推移になるとみている。
住宅投資は、駆け込み需要の反動減による緩やかな減少が続いた後、横ばい圏で推移するとみている。消費増税に伴う各種住宅購入支援策が住宅投資を下支えする一方で、住宅価格が高水準にあることは住宅投資の下押し要因となるだろう。
設備投資は緩やかな増加を見込んでいる。人手不足に対応した合理化・省人化投資や、研究開発投資は拡大基調が続くとみている。また、2019年12月に策定された経済対策も ICT投資等の追い風となるだろう。ただし、世界経済の不透明性の増大が企業の設備投資を慎重化させる可能性にも細心の注意が必要だ。
公共投資については、前述した「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(2018年12月閣議決定)や「安心と成長の未来を拓く総合経済対策経済対策」(2019年12月閣議決定)が押し上げ要因となる。ただし、公共投資は既に高水準にあり、建設業の人手不足や資材価格の高まりを踏まえると執行ペースを上げにくい状況にあることから、先行きは横ばい圏での推移が続くとみている。
輸出は、地域ごとに濃淡はあるものの、当面は足踏みが続くとみている。アジア向け輸出は半導体需要の回復を背景に緩やかな増加基調を維持する一方、米国、EU向けは足下の景気の減速を受け、横ばい圏での推移が続くだろう。足踏みの後は、世界経済の回復に伴い緩やかに持ち直すとみている。
なお、新型肺炎の影響には警戒が必要である。仮に中国人訪日客が100万人(10%)減少すると、波及効果を含めて、日本のGDPは2,500億円程度押し下げられる。このほか、中国の消費や生産活動が落ち込むことで日本の対中輸出が減少したり、中国に進出している日本企業のサプライチェーンが混乱したりすることも想定される。さらに、他国の経済活動が停滞することで中国向け以外の輸出が減少するといった間接的な影響にも注意が必要だ。
みずほ総研▲0.9%
(▲3.5%)
2020年の日本経済は、年前半にかけては弱い伸びに留まり、回復は年後半に入ってからになる見通しだ。年前半は世界経済が回復に至らないなか、自動車や資本財などを中心に輸出は伸び悩むとみている。輸出の回復が見込めない中では製造業の業況も持ち直すには至らず、雇用・所得は伸び悩み、個人消費の増税の反動減からの回復も弱いだろう。設備投資は、省力化ニーズなどからソフトウェア投資は堅調に推移するとみているが、足元の受注状況を見る限り、機械投資は横ばいとなるほか建設投資は弱含み、総じてみれば 横ばい圏になるだろう。
さらに足元急拡大しているコロナウィルスによる中国経済減速が、日本にも影響を及ぼす可能性が高まっている。中国からの訪日来客数低下や日系現地メーカーの生産調整にともなう企業収益の下押しなどの直接的な影響に留まらず、中国国内の消費低迷による消費財輸出の低下、現地での生産調整による中国向け部材輸出の下押しなど間接的な影響もでてくると考えられる。影響のインパクトや期間の不透明感が高いが、前回SARS(2003年)の経験を踏まえれば、正常化するには数か月程度かかる可能性が高い。日本経済の回復は、中国経済が正常化し、世界経済が持ち直していく年後半に入ってからになりそうだ。
ニッセイ基礎研▲1.1%
(▲4.4%)
2020年1-3月期は駆け込み需要の反動が和らぐことで民間消費、設備投資が持ち直すものの、欧米向けを中心に財の輸出が低迷することに加え、新型コロナウィルス感染拡大の影響で中国からの訪日客が急減し、サービスの輸出も大きく落ち込むことが見込まれるため、ほぼゼロ成長にとどまることが予想される。
第一生命経済研▲1.1%
(▲4.5%)
2020年1-3月期はプラス成長になると予想するが、19年10-12月期の大幅な落ち込みからの戻りとしては鈍いものにとどまるだろう。個人消費は10-12月期の大幅減からの反動でプラスを見込むが、増税に伴う家計負担増の影響が残存することに加え、そもそもの所得の伸びが弱いことから、高い伸びにはならないとみられる。1-3月期の個人消費を前年比でみるとマイナス圏の推移となり、抑制された状態が続く見込みだ。加えて、前述の輸入・在庫要因も足を引っ張る可能性があるだろう。IT部門を中心として世界的に生産活動が上向きつつあることを背景として輸出は増加が見込まれるため、内需・外需総崩れという事態は回避されるが、20年1-3月期も景気には停滞感が残るとみられる。
また、リスク要因として懸念されるのは新型肺炎による悪影響。新型肺炎の議論ではインバウンド需要への悪影響が強調されることが多い。そのこと自体は否定しないが、さらに懸念されるのが中国経済への悪影響だ。移動の規制や外出の手控え等によるサービス消費の悪化に加え、工場の操業停止などが広がり生産活動が下押しされる懸念もある。少なくとも短期的には悪影響は避けられないだろう。中国は日本にとって米国と並んで最大の輸出相手先の一つであり、中国経済の悪化は日本の輸出抑制に直結する。また、中国経済のプレゼンスはかつてに比べて格段に高まっていることから、世界経済への下押し圧力も、SARS の時と比較して大きくなるだろう。世界経済の下押しを通じた日本経済への波及のルートも軽視すべきではない。また、仮に日本国内でも感染が広がるようであれば、外出の手控え等によって個人消費への悪影響が広がる可能性があり、内需の下押しが懸念される。消費増税後の個人消費は予想以上に悪化した。1-3月期以降にはその落ち込みからの持ち直しが期待されていたが、その期待が裏切られる可能性があるだろう。
伊藤忠総研▲0.9%
(▲3.7%)
2020年1~3月期は、米中摩擦の一時中断もあってプラス成長へ戻ると見込んでいたが、新型肺炎の影響により中国経済の停滞が不可避の状況となりつつあり、中国向け財・サービス輸出の大幅な落ち込みを主因に、2四半期連続のマイナス成長となる可能性が十分にあろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.9%
(▲3.7%)
2019年10~12月期の実質GDP成長率は、消費増税による個人消費の落ち込みを主因として前期比-0.9%(年率換算-3.7%)と5四半期ぶりにマイナス成長に転じたと予測される。
三菱総研▲0.8%
(▲3.0%)
2019年10-12月期の実質GDPは、季節調整済前期比▲0.8%(年率▲3.0%)と、5四半期ぶりのマイナス成長を予測する。消費税増税後の反動減などから、内需が総じて減少したとみられる。

ということで、各シンクタンクともマイナス成長は確定というカンジで、むしろ、焦点は足元の2020年1~3月期であり、ニッセイ基礎研のリポートにあるように、中国初の新型コロナウィルスの影響によりほぼゼロ成長にとどまる、というのが正直なところで、伊藤忠総研のリポートのように、私も従来は、米中間の貿易摩擦の一時的な中断により、消費税率引上げに伴うマイナス成長からのリバウンドでプラス成長に回帰すると見込んでいましたが、2四半期連続のマイナス成長による敵にカルナ景気後退シグナルという可能性も否定できません。私のようなエコノミストの理解を越えたところにあるような気もします。ただし、内外需そろって総崩れというわけではなく、新型コロナウィルスの影響は不明ながら、世界経済は持ち直しの動きを見せ始めており、我が国内需が不振で輸入が減少することもあって、外需はプラス寄与ではないかと見込まれます。でも、繰り返しになりますが、新型コロナウィルスの影響次第ですので、何とも先行き不透明であることに変わりありません。
下のグラフはニッセイ基礎研のリポートから引用しています。

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