« 新型コロナウィルスと発達した低気圧を避けて家にこもる!!! | トップページ | 日本経済研究センター(JCER)による金融ストレス指数の動向やいかに? »

2020年4月13日 (月)

緊急事態宣言後の日本経済見通しやいかに?

先週火曜日の4月7日に7都府県に対して緊急事態宣言が出ましたが、ほぼほぼ1周間が経過し、いくつかのシンクタンクから緊急事態宣言後の経済見通し改訂版が明らかにされています。以下のテーブルに、ごくごく簡単に取りまとめておきたいと思います。なお、成長率予想は、当然、今年度2020年度の年率成長率で示してあり、ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。

機関名成長率予想ヘッドライン
大和総研▲4.5%緊急事態が宣言された地域の「外食・宿泊」への支出は9割減少し、「交通」と「娯楽・レジャー・文化」への支出は半減すると想定した。「交通」と「娯楽・レジャー・文化」には自転車やテレビ、パソコン、書籍類、玩具・ゲームといった外出自粛の影響を受けにくい(支出が増加する可能性もある)品目が含まれるため、「外食・宿泊」よりも緩やかな減少を見込んでいる。こうして得られた消費抑制額から、すでに行われている外出自粛等の影響分を控除した。
その結果、緊急事態宣言による追加的な消費抑制額は1カ月間で1.4兆円程度(東京都では0.4兆円程度)と試算される。
ニッセイ基礎研▲4.1%実質GDPの急速な落ち込みを受けて、失業率は2019年10-12月期の2.4%から2020年10-12月期には3.9%まで上昇し、失業者数は2019年10-12月期の159万人(季節調整値)から2020年10-12月期には272万人へと100万人以上増加すると予想する。
第一生命経済研▲4.5%20年7-9月期に景気は底打ちし、成長率もプラスに転じるとみている(新型コロナウイルスの問題が6-7月頃に概ね落ち着くとの前提)。もっとも、感染の再拡大リスクを考慮すれば、自粛解除等の経済の正常化はある程度の時間をかけて段階的に行わざるをえないため、景気のV字回復は難しい。7-9月期以降の成長率は比較的高いものとなるが、それでも20年前半の大幅な落ち込みと比べると戻りは緩やかなものにとどまるだろう。
三菱総研▲3.9%20年度の実質GDP成長率は、新型コロナウイルスによる経済活動抑制が20年6月末にピークアウトする場合には前年度比▲1.6%(前回は同▲0.5%)、20年12月末にピークアウトする場合には同▲3.9%(前回は同▲1.7%)と、いずれも2年度連続でのマイナス成長を予想する。特に20年12月末にピークアウトする場合は、08年度(世界金融危機時)の同▲3.4%を上回るマイナス幅となる。また、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大(オーバーシュート)や緊急事態宣言の対象地域が拡大した場合、内外経済が一段と下振れ、経済の停滞が長期化するリスクも想定しておく必要がある。

私はこういった方面にはまったく専門性なく、何ともいえませんが、2020年度の成長率に大きな下押し圧力が加わるのは当然で、おおむね▲4%前後のマイナス成長が見込まれています。特に、興味深かったのはニッセイ基礎研のリポートで、成長率以外にも雇用の悪化などが数量的に示されており、ヘッドライン欄にも引用した通り、失業者数が100万人超増加して失業率が4%近くまで上昇し、2020年度の雇用者報酬は前年比▲1.6%と8年振りの減少となり、加えて、物価についても、原油価格急落の影響などから、コア消費者物価の上昇率が2020年度には前年度比▲0.2%とマイナスに落ち込むと指摘しています。
下のグラフもニッセイ基礎研のリポートから引用しています。

photo

|

« 新型コロナウィルスと発達した低気圧を避けて家にこもる!!! | トップページ | 日本経済研究センター(JCER)による金融ストレス指数の動向やいかに? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 新型コロナウィルスと発達した低気圧を避けて家にこもる!!! | トップページ | 日本経済研究センター(JCER)による金融ストレス指数の動向やいかに? »