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2020年4月 9日 (木)

日銀「さくらリポート」から新型コロナウィルスの影響について考える!!!

日銀では支店長会議が開催され、本日午後、「さくらリポート」が公表されています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。各地域の景気の総括判断と前回との比較は下のテーブルの通りで、すべての地域で新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大の影響などにより景気判断が引き下げられており、「弱い動き」または「下押し圧力が強い状態」といった表現が取られています。

 【2020年1月判断】前回との比較【2020年4月判断】
北海道緩やかに拡大している新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響により、下押し圧力の強い状態にある
東北弱めの動きが広がっているものの、緩やかな回復を続けている新型コロナウイルス感染症の影響などから、このところ弱い動きとなっている
北陸引き続き拡大基調にあるが、その速度は一段と緩やかになっている新型コロナウイルス感染症の影響などから、弱めの動きとなっている
関東甲信越海外経済の減速や自然災害などの影響がみられるものの、基調としては緩やかに拡大している新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響により、このところ弱い動きとなっている
東海緩やかに拡大している新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、下押し圧力の強い状態にある
近畿一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな拡大を続けている新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、弱い動きとなっている
中国幾分ペースを鈍化させつつも、基調としては緩やかに拡大している新型コロナウイルス感染症などの影響から、このところ弱い動きとなっている
四国一部に弱めの動きがみられるものの、回復している新型コロナウイルス感染症の影響から、このところ弱めの動きとなっている
九州・沖縄緩やかに拡大している新型コロナウイルス感染症などの影響から個人消費や輸出・生産を中心にこのところ弱い動きとなっている

繰り返しになりますが、すべての地域で景気判断が前回1月時点から下方修正されています。リーマン証券が破綻したサブプライムバブル崩壊直後の2009年1月から約11年振りだと日経新聞のサイトで報じられています。今回のCOVID-19の感染拡大による経済への影響は、私には何とも測り難いところで、早期に終息すれば、逆に、V字回復の可能性もあるとすら考えていましたが、そういった楽観論はまったく影を潜めた気がします。現在では、非常事態宣言に基づいて、主として需要面の落ち込みが議論されていますが、長期化すれば供給サイドにも不安が出るのは避けられません。もちろん、14世紀に欧州で起きたペストの被害とは、医療技術の水準がまったく異なりますので、比較できませんが、それなりの経済社会の構造の変化をもたらす可能性は否定できません。
私の勤務する大学でも、ゴールデンウィーク明けまでは授業が休講になりましたから、唯一ガイダンスで新入学生に話をしたくらいで、ほとんど、学生や院生と対面して議論する機会はないんですが、やはり、経済学的には交易の利益が失われるとこのようになる、という見本のような気がします。そして、学生が懸念していたのは、マスクなんかが念頭にあるのか、供給を中国に頼り過ぎるリスクだったんですが、それではどのように対処すべきかといえば、国内生産に回帰するか、あるいは、より供給元を多様化するのか、という選択です。こういったマクロの問題に加えて、例えば、マイクロな個人間の格差の観点からは、高所得であれば感染リスクが小さい働き方ができて、感染しても高度医療が受けられるので救命の可能性も高くなるんではないか、と直感的に考えられるんですが、それでは各個人が高所得目指してより競争を激化させるのが正しいのか、それとも、低所得であっても感染リスク小さい働き方が選択できて、感染しても所得による差別が生じない医療を構築するのか、といった見方も必要です。長ったらしい名称ですが、新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事務を担当する国務大臣、という政府の責任者は経済財政担当大臣だったりしますし、経済へのネガティブな影響の最小化がCOVID-19の感染拡大防止の最大の目的のひとつであることはいうまでもありません。それだけに、大学の新入生にしても、経済学を学ぶ基本的な姿勢が問われるところです。

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