リクルートジョブズによる5月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
明後日6月30日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートジョブズによる5月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。

アルバイト・パートの時給の方は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響などにより、ジワジワと停滞感を増していますが、他方、派遣スタッフの方は5月のデータが跳ねています。上のグラフの通りです。現時点で判断するのはややムリなのですが、何かがあったのかもしれません。
アルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は+3%近い伸びからジワジワと低下して、三大都市圏の5月度平均時給は前年同月より+2.3%、+24円増加の1,075円を記録しています。職種別では「営業系」(+72円、+5.7%)、「事務系」(+34円、+3.1%)、「専門職系」(+20円、+1.7%)、「製造・物流・清掃系」(+17円、+1.6%)の4職種で前年同月比プラスとなった一方で、マイナスは「販売・サービス系」(▲14円、▲1.3%)、「フード系」(▲9円、▲0.9%)の2職種でした。地域別でも、首都圏・東海・関西のすべてのエリアで前年同月比プラスを記録しています。他方で、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、昨年2019年7月統計から先月2020年4月統計まで10か月連続でマイナスを続けた後、5月度平均時給は前年同月より+3.6%、59円増加の1,695円に跳ね上がりました。職種別では、「営業・販売・サービス系」(+81円、+5.7%)、「医療介護・教育系」(+42円、+2.9%)、「IT・技術系」(+31円、+1.5%)、「クリエイティブ系」(+23円、+1.3%)の4職種が前年同月比プラスとなり、マイナスは「オフィスワーク系」(▲20円、▲1.3%)だけにとどまっています。また、地域別でも、首都圏・東海・関西のすべてのエリアでプラスを記録しています。1年近く前年同月比マイナスを続けてきた派遣スタッフの時給がジャンプしたのですが、アルバイト・パートの時給上昇率はジワジワと停滞し始めていますし、2008~09年のリーマン・ショック後の雇用動向を見た経験からも、COVID-19の経済的な影響は底を打った用に見えるものの、雇用については遅行するケースが少なくないことから、先行き、非正規雇用の労働市場は悪化が進む可能性がまだ残されていると覚悟すべきです。ただ、意外と底堅いという印象もあります。
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