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2020年6月15日 (月)

労働政策研究・研修機構による「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」(一次集計)結果やいかに?

労働政策研究・研修機構(JILPT)と連合総研の共同研究による「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」に関して、1次集計結果が取りまとめられて、先週水曜日の6月10日に明らかにされています。連合総研のサイトにはJILPTのリポートへのリンクが貼られているだけですので、JILPTのリポートを見ておきたいと思います。ただ、必ずしもJILPT主導の調査かというとそうでもなく、例えば、「5月調査」と呼んでいる今回の調査のうちのいくつかの設問は、「4月調査」と呼んでいる連合総研による「第39回勤労者短観 新型コロナウイルス感染症関連 緊急報告」と経時比較が出来るように設計されています。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響について、雇用や収入、特に、残業を含む実労働時間、通常月の月収と比較した直近の月収額、就労面での取組状況、仕事面での不安、それも、雇用者だけでなくフリーランスも含め、さらに、性別・年齢別・地域別・年収別はもちろん、業種別や企業規模別、正規・非正規といった雇用形態別、それも、非正規の中でもパート・アルバイトや派遣など詳細に分類されており、職種も管理職・事務職・サービス職などなど、極めて詳しいカテゴリーで調査が実施されています。今のところは1次集計なんですが、連合総研は私はよく知りませんが、短期間とはいえ勤務経験のあるJILPT研究員の計量分析能力は十分承知していますので、これから、2次集計結果やあるいは3次集計などなど、加えて、4~5月調査だけでなく6月以降の調査結果も含めて、私は大いに期待しています。

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今回明らかにされた1次集計結果の中から、特にCOVID-19の前後で大きな変化あった1点だけ、すなわち、p.11 図表7「在宅勤務・テレワーク」日数の変化 を引用すると上の通りです。見れば判ると思いますが、1週間当りの在宅勤務・テレワーク日数について、COVID-19の影響が現れる前の通常時、4月第2週の全国レベルの緊急事態宣言直前時、5月第2週の全国の緊急事態宣言時、の3時点の結果です。私の経験からしても、定年退職する前の役所に勤務していた時もテレワークはありましたし、私もやったことがあります。でも、正直なところ、年2回ほどで、週あたりにならせばゼロという回答になりそうです。そして、東京の役所勤めから関西に引越しての大学教員ですから、地域も職種も違うので単純な比較は出来ませんが、4月第2週も5月第2週もほぼ週に1日しか大学には出勤しませんでした。上のグラフではテレワークが週4日に分類されるような気がします。私の場合、正規職員という点では大きな変化ないものの、繰り返しになりますが、東京から関西に引越しましたし、定年退職前の公務員から大学教員に転職しましたし、COVID-19の前後で別の意味で大きな変化を経験していて、単純に比較することはムリがありますから、自分自身の実体験だけではなく、こういった周到に準備された統計的な調査の結果を参考に、エコのミストとしていろいろと考えを巡らせたいと思います。

連合総研はともかく、私は労働政策研究・研修機構(JILPT)には研究員として出向していた経験があります。OBなわけです。最近時点では、5月29日に「人生100年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査」なんて、このご時世にトボけた研究成果を記者発表していたりして、研究の方向性を心配していたんですが、COVID-19の最大の影響のひとつは雇用であり、特に格差問題であることは十分認識していたようで安心しました。組織としてはともかく、個々の研究員のレベルがとても高いことは経験から見知っているつもりですので、労働組合をもバックに収集した大量のデータを基にして、タイムリーで政策的なインプリケーション十分な研究成果を期待したいと思います。

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