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2020年7月 3日 (金)

米国雇用統計のリバウンドをどう評価するか?

日本時間の昨夜、米国労働省から6月の米国雇用統計が公表されています。新型コロナウィルス(COVID-19)の影響から、非農業雇用者数は4月の大幅減の後、5~6月統計ではリバウンドして6月には+4,800千人増を記録しています。同じく、失業率も一気に悪化した4月からのリバウンドが見られ、11.1%に改善しています。でも、まだ、10%を超える水準です。いずれも季節調整済みの系列です。まず、USA Today のサイトから統計を報じる記事を最初の6パラだけ引用すると以下の通りです。

4.8M jobs added and unemployment falls to 11.1% as more states reopen after COVID-19 shutdowns
The U.S. economy added a record 4.8 million jobs in June as states continued to allow businesses shuttered by the coronavirus to reopen and more Americans went back to work, even as massive layoffs have persisted.
The unemployment rate fell to 11.1% from 13.3% in May, the Labor Department said Thursday.
Economists surveyed by Bloomberg had estimated that 3.1 million jobs were added in June.
But while the rebound in employment has soundly topped estimates, a surge of new infections in many states threatens to curtail gains in coming months.
The number of Americans on temporary layoff fell by 4.8 million to 10.6 million as many laid-off workers were called back amid state reopenings. About 60% of unemployed workers were on temporary layoff, down from 73% in May. At the same time, 2.9 million people had permanently lost jobs in June, up from 2.3 million the prior month, in a sign more employers are cutting ties with workers.
The Labor Department separately reported Thursday that 1.4 million Americans filed initial jobless claims last week, down from 1.5 million the prior week, a sign that a historically high number of workers continue to be laid off. Claims have reached a staggering 48 million the past three months.

やや長くなりましたが、まずまずよく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルでは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門を、さらに、下は失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期だったんですが、米国経済が長らく景気回復・拡大を続けているために、このグラフの範囲外になってしまっているものの、現在の足元で米国経済が景気後退に入っていることは明らかです。ともかく、4月の雇用統計からやたらと大きな変動があって縦軸のスケールを変更したため、わけの判らないグラフになって、その前の動向が見えにくくなっています。

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米国に限らず、経済指標が4月や5月に大きく悪化したのは、いうまでもなく、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大防止のためのロックダウンなどの措置によるものであり、その後の感染拡大と経済回復のトレードオフに直面して、いろんな方向性が示されているところですが、米国は我が国や欧州と比較して、明らかにCOVID-19の感染拡大防止よりも経済回復に力点をおいているように見受けられます。しかし、その米国においてすら、雇用の回復が緩やかであるわけですので、我が国などにおける経済政策の方向性も、十分、米国政策動向を考えて策定されるべきです。特に、従来から、米国は我が国などに比較して、雇用では賃金という価格ではなく数量ベースの調整、すなわち、雇用者の増減で労働市場の調整が行われる経済構造になっていましたので、雇用者や失業率の大きな変化が生じているわけですが、6月の雇用増+4,800千人増をもって、「単月で過去最大」とトランプ米国大統領が発言したと、日経新聞のサイトで報じられていますが、4月に20,000万人超の減少があったわけですので、まだまだ雇用回復の道のりは長いと覚悟すべきです。事実、米国議会予算局(CBO)では、7月2日に10年間の長期経済見通し An Update to the Economic Outlook: 2020 to 2030 を公表しましたが、失業率は今年2020年に10.5%、来年2021年7.6%、そして、2025-30年になっても米国失業率は4.4%に高止まりし、COVID-19パンデミック前の2019年の水準である3.5%には戻らない、と予測しています。CNNの報道などでも注目しています。

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最後に、上のグラフは時間当たり賃金の動向をプロットしています。雇用統計と同じように、4月統計で大きくジャンプし、その後、5~6月統計と落ち着きを取り戻し始めていますが、少なくとも米国連邦準備制度理事会(FED)の金融政策に対する指標としての役割を取り戻すまでは、もう少し時間がかかりそうです。

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