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2020年8月 5日 (水)

イソジンのうがいはどこまで効果あるか?

我が家で購読している朝日新聞の本日8月5日付けの朝刊の社会面にポビドンヨードを含むイソジンなどのうがい薬により、唾液の検査で陽性となる割合が減リ、唾液中のウイルス量を減らすことで重症化が抑制される可能性を示唆したとの内容でした。大阪府と大阪市と府立病院機構大阪はびきの医療センターによる共同研究の成果だそうです。長くなるので記事全文の引用はせず、以下にリンクだけ示しておきます。おかげで、我が家の近くのドラッグストアでイソジンは売切れでした。明日から高齢者が営業開始前の朝早くに並んだり、そのうちに、転売禁止品リストに入ったりするんでしょうか?

フォローしている人たちの傾向に従って、SNS上では批判的な意見ばかりを私は見ていますが、正確には、何とでもいえる結果のような気がします。記事2つのうちの上の方の記事から引用すると、「研究は府内で宿泊療養している軽症や無症状の患者41人を対象に実施。ポビドンヨードを含んだうがい薬で1日4回うがいした人の唾液のPCR検査の陽性率は、1日目は56.0%で、4日目は9.5%に減った。うがいをしなかった人は、それぞれ68.8%、40.0%だった」ということらしく、41人というサンプル数もさることながら、殺菌作用のあるうがい薬で唾液の殺菌が出来るのは明確な事実でしょうから、それで陽性率が低下するのは当然、という気もします。加えて、イソジンを売り出しているのはシオノギだと思うんですが、日経新聞の記事によれば、そのシオノギの人が取材に応じたようで、「重症化予防の効果があると現時点では言えない」と回答しているようです。加えて、WHO神戸事務所のツィッターにあるINFOGRAPHICは下の通りです。ただ、これはやや誤解・曲解があるようで、私が報道で見た範囲では、唾液の陽性率が低下し、従って、重症化しない可能性が示唆されていただけで、感染予防まで踏み込んだ発言ではなかったような気がします。

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医療や医学において、いわゆる「民間療法」というのがあります。例えば、ホメオパシーです。でも、10年ほど前に日本学術会議がホメオパシーに関する会長談話を明らかにして、全面的に効果を否定し、「ホメオパシーのような非科学を排除」するべきとの見解を明らかにしているのはよく知られた通りです。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関連しても、ガソリンで手を洗うとか、消毒液を注射するとか、いろいろとあった一方で、当初は効果低いとされていたマスクの着用が後になって推奨されたことも事実で、かなり混乱が見受けられます。ひるがえって、私の専門分野である経済学でも同様のトンデモ学説はいっぱい見かけます。物理学や化学やといった小難しい、というか、客観性の高い純粋科学と違って、医療や経済はより国民生活に身近だから、かえって、科学的な根拠なく、いろんな「俗説」が流布されるんだろうと私は受け止めています。それだけに、大学という高等教育機関で経済学を教える教員として、身を引き締めて取り組みたいと考えています。

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