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2020年8月12日 (水)

お盆休みの読書やいかに?

私はまとまったお休みがあると、古典的な名著を読みたくなる傾向があり、これまでも海外勤務の際の一時帰国や長崎大学の時の夏休みの機会などを捉えて、何冊か読んでいました。ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』、バジョット『ロンバード街』、ハルバースタム『ベスト・アンド・ブライテスト』、リースマン『孤独な群衆』、ガルブレイス『新しい産業国家』、フリードマン『選択の自由』、などなどです。ただ、知り合いからバジョットは『ロンバード街』ではなく、むしろ、『イギリス憲政論』の方が世界的に知名度が高い、と指摘されたことがあります。ほかに、チリ勤務の際にはガルシア-マルケスの『百年の孤独』Cien años de Soledad のスペイン語原書に挑んだこともあります。我が家の本棚にはそれなりに立派な本が並んでいます。
今週のお盆休みの読書計画に選んだのは以下の5冊で、すでに半分くらい読んでしまいました。2冊めのエスピン-アンデルセンの『福祉資本主義の三つの世界』以外は読んだ記憶があります。

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まず、ロバート D. パットナム『孤独なボウリング』(柏書房) です。米国の社会関連資本=Social Capitalが20世紀の終わりの⅓、すなわち、1960年代半ばくらいから失われていく社会的な現象について分析を加えています。非常に有名な事実なんですが、同じタイトルの "Bowlin Alone" という学術ジャーナルの論文が1995年に出版されていて、書籍は2000年の出版です。論文出版のころは社会関係資本の喪失の原因はテレビ、としていましたが、書籍を上梓するころには世代論に重点を置くように変化しています。

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次に、G. エスピン-アンデルセン『福祉資本主義の三つの世界』(ミネルヴァ書房) です。これも有名な本です。福祉レジームについて、アングロ-サクソン諸国の自由主義レジーム、北欧諸国の社会民主主義レジーム、そして、大陸欧州諸国の保守主義レジームにカテゴライズして論じています。私が知る限り、2012年版の「厚生白書」第4章の冒頭で私のようなシロート向けの解説があります。また、1980年代の失業の高まりへの対応として、同じ3分割の政策論を展開した『転換期の福祉国家』も有名です。1980年ころからの失業の増加に対して、アングロ-サクソン諸国では最低賃金や公的扶助を切り下げて労働市場を柔軟化させるアプローチを取り、大陸欧州諸国では早期退職のパスを整備して労働供給を減少させるアプローチを取り、スカンジナビア諸国では福祉などの公的部門の雇用を拡大して労働需要を増加させるアプローチを取った、とされています。

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最後に、葉室麟『いのちなりけり』、『花や散るらん』、『影ぞ恋しき』(文春文庫・文藝春秋) です。いわゆる「いのち」3部作です。第1巻『いのちなりけり』と第2巻『花や散るらん』はすでに文庫本が出ており、第3巻『影ぞ恋しき』はまだ単行本だけです。藩主に対して「天地に仕える」と広言する柔道と剣の達人雨宮蔵人と名門出身で教養豊かな才色兼備の咲弥の夫婦、そして、第2巻の『花や散るらん』から新たに家族に加わる娘の香也、その脇を固める「葉隠」の著者である山本常朝や後に出家する深町右京などなど、藩内政治だけでなく、幕府と朝廷を巻き込む陰謀めいた出来事に加え、これも第2巻の『花や散るらん』では、赤穂浪士の討ち入りに立ち会います。私はこの第2巻が一番好きです。第1巻はもちろん、第3巻もいいんですが、最後の第3巻では忍びの連中が余りに出過ぎる気がします。

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