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2020年9月 7日 (月)

12か月連続で基調判断「悪化」が続く景気動向指数は消費減税の必要性を示唆!!!

本日、内閣府から7月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月から+3.1ポイント上昇して86.9を、また、CI一致指数も前月から+1.8ポイント上昇して76.2を、それぞれ記録しています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、12か月連続で「悪化」で据え置かれています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の景気一致指数、2カ月連続上昇 基調判断「悪化」は12カ月連続
内閣府が7日発表した7月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.8ポイント上昇の76.2となった。上昇は2カ月連続。新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していた経済活動を再開させる動きが国内外で徐々に広がっていることが指数を押し上げた。
乗用車や自動車関連部品の出荷などが伸び、一致指数を構成する「生産指数(鉱工業)」や「鉱工業用生産財出荷指数」、「耐久消費財出荷指数」の持ち直しが続いた。「輸出数量指数」の伸びも寄与した。一方で、新型コロナの再拡大や長雨などの影響で「商業販売額(小売業)」などが低調で、一致指数の上昇幅は前の月よりも縮小した。
一致指数の動きから機械的に求める景気動向指数の基調判断は12カ月連続で「悪化」となった。現行の方法で基調判断を出している08年4月以降では最長となった。
数カ月後の景気を示す先行指数は前月比3.1ポイント上昇の86.9と、2カ月連続で上昇した。「鉱工業用生産財在庫率指数」や「最終需要財在庫率指数」などが寄与した。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は前月比1.3ポイント低下の91.9と、2カ月ぶりに低下した。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しているんですが、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に認定しています。

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何とか、CI一致指数は2ヶ月連続の前月さプラスを記録しています。7月統計でプラス寄与の大きかった系列は、耐久消費財出荷指数、生産指数(鉱工業) 、鉱工業用生産財出荷指数、輸出数量指数、などとなっています。他方、6月統計では全系列がプラス寄与を示したのですが、直近で利用可能な7月統計では有効求人倍率(除学卒)や商業販売額(小売業) (前年同月比)は再びマイナス寄与に戻ってしまいました。まあ、景気回復局面ではどうしようもないのかもしれませんが、海外や企業部門が景気を牽引する一方で、雇用は家計部門はまだまだ停滞を示しています。これから、輸出や企業部門の回復が雇用を通じて家計に、どれくらいのタイミングでどれくらいの力強さで波及するか、が大きなポイントになります。新自由主義的な経済政策で、家計を犠牲にして企業を優遇するような方向では、景気回復の恩恵が格差解消につながったり、家計が景気回復の恩恵にあずかれずに、苦しい国民生活が続くことになりかねません。その意味で、7月27日付けのこのブログで取り上げたように、英国やドイツをはじめとするいくつかの先進国で実施されている時限的な消費減税が日本でも有効と私は考えています。
最後に、上のグラフでは、2020年5月を暫定的な景気の谷と仮置していますが、第一生命経済研のリポートによれば、来月公表予定の8月統計でさらにCI一致指数が上向けば、基調判断が「下げ止まり」に上方修正される可能性が高い、と指摘しています。ご参考まで。

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