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2021年1月14日 (木)

2か月連続で増加を示す機械受注と大きな下落が続く企業物価指数(PPI)!!!

本日、内閣府から昨年2020年11月の機械受注が、また、日銀から昨年2020年12月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比+1.5%増の8548億円と、まだまだ受注額は低水準ながら、2か月連続でプラスの伸びを記録しています。また、企業物価指数(PPI)のヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は▲2.0%の下落を示しています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

20年11月の機械受注、1.5%増 通信伸びる、基調判断を上方修正
内閣府が14日発表した2020年11月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は、前月比1.5%増の8548億円だった。2カ月連続の増加で、QUICKがまとめた民間予測の中央値(6.5%減)を上回った。内閣府は基調判断を「下げ止まっている」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。判断の上方修正は2カ月連続。
内訳を見ると、製造業の受注額は前月比2.4%減の3452億円だった。3カ月ぶりの減少で、17業種のうち6業種で増加、11業種で減少した。非鉄金属などで10月に大きく伸びた反動が出た。
非製造業は5.6%増の5109億円と、3カ月連続で増加した。通信業や建設業が伸びた。内閣府の担当者は「通信業では次世代通信規格の5G投資などで、ネットワーク関連機器を含む通信機が増加したと推測している」と話した。
受注総額は1.5%減、外需の受注額は5.9%増、官公需の受注額は0.4%増だった。
前年同月比での「船舶・電力を除く民需」の受注額(原数値)は11.3%減だった。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
20年12月の企業物価指数、前月比0.5%上昇 上昇は4カ月ぶり
日銀が14日発表した2020年12月の企業物価指数(15年平均=100)は100.3と、前月比で0.5%上昇した。前月比の上昇は4カ月ぶりで、石油製品を中心とした値上がりが寄与した。一方、前年同月比では2.0%下落だった。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。一部の国で新型コロナウイルスワクチンの接種が開始され、景気回復への期待が高まったことや、米国で原油在庫が減少したことから、11月から12月にかけて原油価格が上昇した。銅やアルミニウムの国際市況の値上がりも企業物価を押し上げた。
円ベースでの輸出物価は前年同月比1.3%下落、前月比では0.8%上昇した。円ベースでの輸入物価は前年同月比で9.8%下落、前月比では1.9%上昇した。
20年(暦年)の企業物価指数は100.3と、前年に比べて1.2%下落した。20年春の新型コロナ感染拡大で原油価格が一時、大幅に下落したことが響いた。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期なんですが、このブログのローカルルールで勝手に直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に認定しています。

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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、前月比で▲6.5%減、レンジの上限でも+1.0%増でしたから、この上限を突き抜けて、ややサプライズとなりました。季節調整済み系列のの前月比で見て、製造業は前月10月統計の+11.4%増の反動もあって、直近で利用可能な11月統計では△2.4%減と減少を記録しましたが、船舶と電力を除くコア非製造業が10月統計の+13.8%像に続いて、11月も+5.6%増となっています。非製造業の中でも、通信業が+41.6%増と大きな伸びを示し、引用した記事にあるように、「次世代通信規格の5G投資などで、ネットワーク関連機器を含む通信機が増加した」のかもしれません。いずれにせよ、コア機械受注は10月の2ケタ増に続いて11月もわずかとはいえプラスを記録したことから、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「下げ止まっている」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正しています。コア機械受注が市場の事前コンセンサスを超えた伸びを示していることに加えて、機械受注の先行指標とされる外需も10月+20.7%増の大きな伸びに続いて、11月も+5.9%増と堅調に推移しており、こういった条件を踏まえての基調判断の修正なのですが、いかんせん、12月は日本国内でも、欧州をはじめとした海外でも、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックが拡大しているだけに、まったく疑問がないわけではありません。もちろん、数字だけを見れば、COVID-19パンデミック前の2019年10~12月期のコア機械受注は2兆5698億円で、月単位なら8566億円となりますから、11月統計の8548億円はほぼほぼパンデミック前の水準に回帰したといえますし、質的な面を考えても、中国ではCOVID-19がかなりの程度に終息したとか、イレギュラーな大型案件ではなく通信業の5G投資という将来を見据えた実需であるとか、それなりの根拠はないわけではありませんが、12月統計も見たい気がする私としては、やや拙速な判断である可能性は指摘しておきたいと思います。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期であり、先の機械受注と同じく、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで認定しています。日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、ヘッドラインの国内物価の前年同月比が▲2.2%の下落でしたし、前月11月の実績△2.3%ほどの大きな下落ではありませんでしたので、実績の△2.0%はやや上振れはしましたが、一昨年2019年10月からの消費税率引上げ効果の剥落があるとはいえ、まだまだ日銀の物価目標とは整合的ではないといわざるをえません。加えて、引用した記事にあるように、4か月ぶりの前月比プラス、+0.5%を記録しましたが、そのほぼほぼ半分に当たる+0.25%はガソリンをはじめとする石油・石炭製品の寄与であり、残り半分の半分に当たる+0.11%は非鉄金属、特に国際商品市況に連動した銅地金などの寄与すから、それほど楽観的になれるハズもありません。

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