今さらながらに年末年始の読書案内???
もう、明日から通常通りのお仕事が始まろうというサラリーマンも多いことでしょうが、今さらながらに、学生諸君にお示しした年末年始の読書案内は以下の通りです。私は、一応、目を通しているんですが、書評的な紹介文は出版社のサイトから引用しています。以下の6冊はすべて新書です。うち、5番目の伊藤先生のご専門はマルクス主義経済学です。東大経済学部で宇野先生の後を引き継いだ大先生が、日本経済についてマルクス主義経済学の視点から解明を試みています。私の専門分野はマルクス主義経済学ではないんですが、学生諸君の中にはそういった専門分野のゼミに所属している場合もあることを考慮しました。
- 吉川洋『人口と日本経済: 長寿、イノベーション、経済成長』(中公新書)
(出版社のサイトから) 人口減少が進み、働き手が減っていく日本。財政赤字は拡大の一途をたどり、地方は「消滅」の危機にある。もはや衰退は不可避ではないか――。そんな思い込みに対し、長く人口問題と格闘してきた経済学は「否」と答える。経済成長の鍵を握るのはイノベーションであり、日本が世界有数の長寿国であることこそチャンスなのだ。日本に蔓延する「人口減少ペシミズム(悲観論)」を排し、日本経済の本当の課題に迫る。 - 伊藤周平『消費税増税と社会保障改革』(ちくま新書)
(出版社のサイトから) 消費税増税で経済が急速に冷え込むさなか、新型コロナで私たちは痛めつけられた。そもそも消費税増税の理由は嘘ばかりで、社会保障は後退し続けているし、年金・医療・介護・子育てすべてにおいて、高負担低福祉状態にあり、疫病の流行で、その危機は一層深まった。いっぽう大企業の法人税や高額所得者への所得税は減税が強行される。日本の税制と社会保障はいまどうなっているのか。今後どうすれば建てなおすことができるか。 - 福田慎一『21世紀の長期停滞論: 日本の「実感なき景気回復」を探る』(平凡社新書)
(出版社のサイトから) 21世紀型の長期停滞は、本来の実力より低いGDP水準に加え、「低インフレ」「低金利」状態が長期にわたって続くという特徴を持つ。
日本では、アベノミクス以降、雇用関連など力強い経済指標は存在するが、賃金の上昇は限定的で、物価上昇の足取りも依然として重い。さらに、少子高齢化や財政赤字の拡大など懸念が増す一方である。
日々高まる経済の現状への閉塞感から脱却するためにも、その原因を丁寧に検証し、根本的な解決策を探る。 - 坂本貴志『統計で考える働き方の未来: 高齢者が働き続ける国へ』(ちくま新書)
(出版社のサイトから) 年金はもらえるのか?貯金はもつのか? 「悠々自適な老後」はあるのか? それとも、生活していくために死ぬまで働かなければいけないのか? 現在、将来の生活や仕事に対し、多くの人が不安を抱いている。しかし、本当に未来をそんなに不安に思う必要などあるのだろうか?本書は、労働の実態、高齢化や格差など日本社会の現状、賃金や社会保障制度の変遷等を統計データから分析することで、これからの日本人の働き方を考える。働き方の未来像を知るのに必読の一冊。 - 伊藤誠『日本経済はなぜ衰退したのか: 再生への道を探る』(平凡社新書)
(出版社のサイトから) いま日本経済は、資本主義市場経済の内部から生じた世界恐慌の打撃に苦しみ続けている。この低迷をどう打開すればいいのか? アベノミクスで本当によくなるのか? 直すべき課題を明らかにする。2008年のサブプライム金融危機は、新自由主義を推進してきたアメリカ経済の内部から生じた自己崩壊だった。この危機はユーロ圏へと連鎖反応を引き起こし、ソブリン危機による新たな世界経済危機へと連なっていく。本書では、日本の経済成長に大きな打撃を与えてきた近年の世界恐慌に分析と考察を加え、日本経済は、今後どうあるべきか、直すべき課題を明らかにしていく。 - 浜矩子『「共に生きる」ための経済学』(平凡社新書)
(出版社のサイトから) 経済活動とはなにか、どうあるべきか――。その問いに著者は、人間による人間のための営みである以上、人間を幸せにできなければ、その名に値しないと述べる。そして、まともな経済活動のあり方と共に生きる社会のあり方は、ほぼぴったり二重写しになるというのである。第三次グローバル化時代に一国主義と排外主義が台頭する中で、異なるもの同士は、いかにして真の共生を築けばいいのか。エコノミストの観点から問題点をあぶり出し、その解決策を探る。
それから、新書以外で、ということで、以下の2冊を2019~2020年の話題の書として示しておきました。ここでも、ご参考まで。
学部生、特に1~2回生には少し難しい内容を含んでいそうな気がしますが、私が接した学生諸君の中には十分読みこなせそうな勉強熱心な学生もいるように感じています。年明けからは、2週間ほどで入試シーズンの春季休暇に入りますので、ややタイミングが遅くなりましたが、このブログでも取り上げておきたいと思います。
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