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2021年4月19日 (月)

3月貿易統計から米中間の緊張関係のリスクを考える!!!

本日、財務省から3月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列で見て、輸出額は前年同月比+16.1%増の7兆3781億円、輸入額も+5.7%増の6兆7144億円、差引き貿易収支は+6637億円の黒字を計上しています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の貿易統計、輸出16.1%増 中国向けは単月で過去最高
財務省が19日発表した3月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比16.1%増の7兆3781億円と2カ月ぶりに増加した。中国向け輸出が単月で過去最高となったことなどが寄与した。各国への自動車輸出も好調だった。輸入額は5.7%増の6兆7144億円だった。2カ月連続の増加で、医薬品などの輸入が伸びた。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6637億円の黒字だった。黒字は2カ月連続。
対中国の輸出額は37.2%増の1兆6344億円と、単月で過去最高となった。プラスチックなど化学製品や原料品、半導体等製造装置、自動車など幅広い商品が前年同月を上回った。輸入額は10.0%増の1兆5768億円で、パソコンなど電算機類(周辺機器含む)、カメラなど音響映像機器(部品含む)などが伸びた。
対米国の輸出額は4.9%増の1兆2395億円だった。自動車や建設用・鉱山用機械などが伸びた。輸入額は6.5%増の7902億円で、穀物類や医薬品などが伸びた。
対欧州連合(EU)向け輸出は12.8%増だった。自動車部品や自動車の輸出が増えた。輸入は19.0%増だった。医薬品などが伸びた。
同時に発表した2020年度の輸出額は前年度比8.4%減の69兆4873億円と、リーマン・ショック直後の2009年度(17.1%減)以来の減少幅となった。世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により自動車や原動機、航空機類などの輸出が大幅に減少した。輸入も11.6%減の68兆1803億円だったため、貿易収支は1兆3070億円の黒字と3年ぶりの黒字になった。
20年度の地域別では、米国や欧州との輸出入はいずれも減少した一方、いち早く経済回復の兆しを見せた中国向けは輸出・輸入とも増加した。輸出は精製銅など非鉄金属や半導体等製造装置が伸び、輸入はテレワークの普及などを背景にパソコンなど電算機類(周辺機器含む)が伸びた。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスで貿易収支は+4932億円の黒字でしたので、それほど大きなサプライズはなかったと私は受け止めています。なにぶん、先月2月統計が中華圏の春節に当たっていたため、米国の寒波とともに、統計的にはやや不連続な部分も見られますが、おしなべて世界経済の順調な回復に従って我が国輸出も増加している、と私は受け止めています。輸入について季節調整していない原系列の統計の前年同月比で見て、金額ベースで+5.7%増、価格と数量で分解して数量が+3.9%増、価格が+1.8%増となっています。3月の税関長公示レートは1ドル当たり107.13 円となっており、前年同月と比べた円高が落ち着いてきたことから、輸入価格の低下に歯止めがかかりつつあると私は考えています。季節調整済みの系列の前月比で見ると、輸出が+4.5%だったのに対して、輸入は▲0.9%減となり、2月に貿易赤字を記録しましたが、3月統計では黒字に回帰しています。というか、むしろ、2月が中華圏の春節でややイレギュラーな統計だったと考えるべきです。

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続いて、輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出金額指数の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数(CLI)の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国向けの輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。なお、2枚めと3枚めのグラフについては、わけが判らなくなるような気がして、意図的に下限を突き抜けるスケールのままにとどめています。例えば、一番下のグラフで2021年3月の中国のOECD先行指数の前年同月比は1か月のリードを取って+20%なんですが、上限目盛りの+18%を突き抜けています。グラフからも明らかな通り、OECD加盟の先進国も中国も、ワクチン接種で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響を脱しつつあり、中でも米国はバイデン政権の大型財政政策で急速な回復を見せています。我が国だけがワクチン接種も進まず、世界経済の回復に伴う輸出の増加をテコに景気回復を目指す政策を展開しているようです。加えて、3月統計では、金額ベースで米国向け輸出が+4.9%増の1兆2395億円だった一方で、中国向けは+37.2%増の1兆6344億円に達しており、米中間の緊張関係の高まりによるリスクが現実味を帯びてきたように見るのは私だけでしょうか?

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