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2021年5月11日 (火)

来週公表の1-3月期1次QEは緊急事態宣言によりマイナス成長か?

必要な統計がほぼ出そろって、ちょうど1週間先の来週火曜日の5月18日に1~3月期GDP統計速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。東京都と関西圏の京阪神で緊急事態宣言が続いていますが、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の4~6月期から先行きの景気動向について重視して拾おうとしています。緊急事態宣言が出たり解除されたり、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の動向は、ワクチン接種の行方とともに、極めて不透明となっており、そういった影響も気にかかるところです。従って、というか何というか、ほぼすべてのシンクタンクが明示的に足元の4~6月期以降の動向をリポートに盛り込んでいたりします。特に、大和総研とみずほリサーチ&テクノロジーズは詳しく、とても長い引用になってしまいました。逆に、先行きについて、ほとんど取り上げていないのは、テーブルの下の方の三菱系2機関だけでした。いずれにせよ、詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲1.2%
(▲4.8%)
4~6月期を展望すると、3度目の緊急事態宣言発令を受けて、飲食店の営業時間短縮や大型商業施設も含む休業、イベントの収容人数の制限などが要請され、外出自粛も強まっていることから、GWにかけてサービス消費が一段と悪化するほか、財消費への悪影響も懸念。緊急事態宣言が予定通り解除されれば、5月下旬以降は再び経済活動が持ち直しに転じるため、2四半期ぶりのプラス成長となる見込み。もっとも、ワクチン接種の普及に時間がかかるなか、感染への不安と、それに伴い外出を控える動きは根強く、1~3月期の落ち込みを取り戻すまでには至らない見通し。
大和総研▲1.3%
(▲5.1%)
4-6月期の日本経済は、3回目の緊急事態宣言の発出を受けて2四半期連続のマイナス成長となる可能性が高まっている。その後は感染状況やワクチン接種の進展などに大きく左右されるが、一定の感染症対策が実施される中で緩やかな回復基調が続くとみている。
個人消費は、3回目の宣言発出でサービス消費を中心に落ち込み、4-6月期は2四半期連続の減少が見込まれる。4-6月期中に宣言が全面解除されたとしても、4回目、5回目が発出される可能性は否定できない。変異株が全国的に流行して感染力が高まれば、感染拡大防止と両立できる経済活動の水準が以前よりも低くなり、経済活動が再開されると感染爆発が発生しやすくなるからだ。引き続き感染状況が消費の行方を左右する状況が続くだろう。
住宅投資は4-6月期以降増加基調に転じると見込まれる。ただし金融庁によるアパートローンの監視強化や相続税対策の需要の一巡、消費増税などにより、住宅投資の基調はコロナショック前から弱かったことを踏まえると、回復ペースは緩やかなものに留まるとみられる。
設備投資は緩やかな増加傾向が続くとみられる。米中向けを中心とする輸出の増加を背景に、製造業の設備投資意欲は高まるとみられる。他方、国内では宣言の延長や対象区域の拡大が懸念される中、宿泊業や飲食サービス業等の設備投資は低迷するとみられるが、全体への影響は軽微だろう。
公共投資は振れを伴いながらも緩やかな増加が続くとみている。前述した「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の対象期間は 2020 年度で終了したものの、建設業の人手不足などを背景に執行が遅れており、未執行分が2021年度に繰り越されると考えられる。また、2020年末に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」に盛り込まれた国土強靱化の推進も公共投資の追い風となろう。
輸出は増加傾向が続くと見込む。大規模な追加経済対策が実施されている米国向けや、高水準のインフラ投資が見込まれる中国向けの輸出が全体を牽引するだろう。ただし、世界的な半導体不足を背景とする国内の自動車減産の影響が重石となる可能性には留意が必要だ。
みずほリサーチ&テクノロジーズ▲1.8%
(▲6.9%)
さらに、4~6月期は2期連続のマイナス成長となる可能性が高まっている。
足元の新型コロナウイルスの感染動向をみると、近畿、関東を中心に感染が急拡大しているほか、中部、九州・沖縄も増加傾向が続いている。2度目の緊急事態宣言が3月21日に首都圏で解除されてからわずか1カ月で、日本は感染拡大の第4波に入ってしまった。感染力が強い変異株の感染拡大が背景であり、厚生労働省によれば、全国の変異株スクリーニング検査数に占める変異株陽性件数の比率は4月中旬時点で56%に高まっている。
こうした中、政府は4月25日に東京、京都、大阪、兵庫の4都府県を対象として3度目の緊急事態宣言を発令した(発令期間は4月25日から5月11日の17日間)。今回の緊急事態宣言では、飲食店への休業要請(酒類・カラオケを提供する飲食店が対象)に初めて踏み切ったほか、酒類を提供しない飲食店に対しても夜20時までの営業時間短縮要請が実施されている。前回2021年1月の第2次緊急事態宣言で見送られた商業・娯楽施設に対する休業要請も盛り込まれた。休業要請の範囲という点では過去の緊急事態宣言よりも厳しい内容となっており、発令地域における人出は一時的に昨春の第1次緊急事態宣言並みに減少する可能性があるだろう。
さらに、変異株の感染力の強さを踏まえれば、前回の緊急事態宣言と同様に、今回も発令期間が延長される可能性が高いとみている。中部圏や沖縄県といった地域でも変異株の感染拡大が観察されているため、今後感染者数が急増して医療体制がひっ迫するリスクがあり、発令対象地域が広がる可能性もある。
こうした状況を踏まえれば、4~6月期の対人サービス消費は、1~3月期からさらに一段と落ち込む公算が大きいだろう。
さらに、ルネサス社・那珂工場の火災による車載向け半導体の供給途絶を受けた自動車の減産が下押し要因となる。影響の大きさは(完成車メーカーの半導体在庫保有量などに依存するため)不透明な面が強いが、ルネサス社の出荷が正常水準に回復するには数か月かかるとみられ、5~6月の自動車生産が下押しされる可能性が高い。自動車の輸出・国内販売が減少することで、4~6月期の日本経済が大幅に下押しされる懸念がある(仮に国内生産が50~60万台程度減少した場合、他産業への波及効果も考慮すれば、4~6月期のGDPを1%以上押し下げる計算となる)。
ニッセイ基礎研▲0.9%
(▲3.6%)
4/25 から 4都府県を対象に発令された緊急事態宣言は、経済活動の制限が前回よりも厳しく、一日当たりの下押し圧力は前回の宣言時よりも大きくなるだろう。現時点では、緊急事態宣言の期間が5/11までと短いことから、4-6月期はプラス成長になるとみているが、緊急事態宣言の期間が延長された場合、対象地域や規制の範囲が広がった場合には、2四半期連続のマイナス成長となる可能性が高まるだろう。
第一生命経済研▲1.2%
(▲4.9%)
4-6月期についても景気の停滞は続くだろう。4月25日に4都府県を対象として緊急事態宣言が発令された。今回の緊急事態宣言は、大型商業施設に休業要請が出されるなど、前回(1~3月)に比べて活動制限度合いが強く、経済への悪影響も大きい。期間が延長される可能性も相応にあり、個人消費は大きな打撃を受けるだろう。1-3月期に続き、4-6月期もマイナス成長となる可能性は十分あるとみている。
伊藤忠総研▲1.1%
(▲4.3%)
続く 2021年4~6月期も、輸出は米国の景気回復が加わり増勢を維持するものの、3回目の緊急事態宣言を迫ったコロナ感染第4波の影響により個人消費の減少が続き、設備投資も反動落ちが懸念されるため、実質GDP成長率は2四半期連続の前期比マイナスとなる可能性がある。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲1.2%
(▲4.7%)
5月18日に内閣府から公表される 2021年1~3月期の実質GDP成長率は、前期比-1.2%(年率換算-4.7%)と 3四半期ぶりにマイナスに転じる見込みである。大都市圏を中心として、1月に2回目の緊急事態宣言の発出を背景に個人消費が落ち込んだことが影響した。もっとも、年明け直後にいったん落ち込んだ経済活動は、感染拡大のピークアウトと緊急事態宣言の解除を受けて年度末にかけて持ち直しており、1回目の緊急事態宣言時の前期比-8.3%と比べるとマイナス幅は小幅にとどまるなど、深刻な落ち込みに至っていない。このため、景気は一時的に低迷したものの、二番底に至ることは回避されたと考えられる。
三菱総研▲1.4%
(▲5.3%)
2021年1-3月期の実質GDPは、季節調整済前期比▲1.4%(年率▲5.3%)と3四半期ぶりのマイナス成長を予測する。2回目の緊急事態宣言発令により、外出関連消費が落ち込んだ。

見渡してみて、ほぼ、前期比で▲1%強のマイナス成長というのが平均的な見方かもしれません。ただ、私は思ったよりも海外需要が好調で、▲1%程度のマイナスを個人的には考えています。ひょっとしたら、上のテーブルで唯一▲1%より強気な予想を出しているニッセイ基礎研の▲0.9%くらいかもしれないと考えていて、逆のもっとも大きなマイナス成長▲1.8%のみずほリサーチ&テクノロジーズよりも、ニッセイ基礎研の▲0.9%の方が可能性が大きいとすら感じています。繰り返しになりますが、その理由は海外経済要因であり、米国なんかはワクチン接種がかなり進んで年央には経済活動が正常化されるとする予測すらあります。要するに、何から何まで新型コロナウィルス感染症(COVID-19)への対応が遅れていて、経済へのダメージも大きいのが日本である、ということなんでしょう。
最後に、下のグラフはニッセイ基礎研のリポートから引用しています。

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