商業販売統計の小売販売額は5か月連続で前年同月を上回る!!!
本日、経済産業省から7月の商業販売統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+2.4%増の12兆7300億円、季節調整済み指数では前月から+1.1%の伸びを記録しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を手短かに引用すると以下の通りです。
7月の小売販売額、2.4%増
経済産業省が30日発表した7月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比2.4%増の12兆7300億円だった。増加は5カ月連続。季節調整済みの前月比は1.1%増だった。
大型小売店の販売額については、百貨店とスーパーの合計が1.3%増の1兆7138億円だった。既存店ベースでは1.3%増だった。
コンビニエンスストアの販売額は6.1%増の1兆484億円だった。
コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のヘッドラインとなる小売販売額のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのままを、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期であり、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで同定しています。
繰り返しになりますが、通常、この統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で見ていて、その数字は前年同月比+前年同月比+2.4%増の12兆7300億円となっている一方で、季節調整済み指数では前月から+1.1%の伸びを示しています。もっとも、経済産業省のリポートでは、季節調整済み指数の後方3か月移動平均で基調判断を示しているようで、7月の移動平均指数は前月から+1.3%増となっていて、7月までのトレンドでは「横ばい傾向」としています。ほかにも、GDP統計なんかの消費は季節調整済み系列で判断することを考えれば、月次で+1%強というのはかなりの伸びと私は受け止めています。ただし、注意しておかねばならないポイントは、商用販売統計は物販が主であり、サービスは含まれていないことから、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のための緊急事態宣言によるダメージは過小評価されている可能性が高い、と考えるべきです。すなわち、飲食や宿泊のような対人接触型のサービスが緊急事態宣言で受けるネガティブな影響は、商業販売統計には十分には現れないことが予想され、実際の日本経済の先行きについてはこの統計よりも悲観的に見るべきであると私は考えています。
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