リクルートによる7月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
来週火曜日の8月31日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる6月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。まず、いつものグラフは以下の通りです。
アルバイト・パートの時給の方は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響などにより、停滞感ありながら底堅い印象で、4月+0.7%増、5月+1.5%増、6月+1.5%増に続いて、7月も+1.1%増となっています。ただし、伸び率が+2.0%を下回るのは、2020年10月から10か月連続です。他方、派遣スタッフの方は昨年2020年5月以降のデータが跳ねていたのですが、今年2021年5月からはそのリバウンドで元に戻っています。上のグラフの通り、今年2021年7月は+1.3%を記録しています。
まず、アルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、5~6月には+1.5%増の伸びまで縮小し、7月も+1.3%増にとどまっています。人手不足がメディアで盛んに報じられていた一昨年2019年暮れから昨年2020年年初のコロナ初期の+3%を超える伸び率から比べるとかなり低下してきています。三大都市圏の7月度平均時給は前年同月より+1.1%、+12円増加の1,095円を記録しています。職種別では「事務系」(+39円、+3.4%)、「営業系」(+36円、+2.8%)、「専門職系」(+20円、+1.7%)、「販売・サービス系」(+17円、+1.6%)、「製造・物流・清掃系」(+8円、+0.7%)、「フード系」(+6円、+0.6%)とすべての職種で増加を示しています。地域別でも関東・東海・関西のすべての地域でプラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、7月は+22円増加、+1.3%増の1,742円に達しています。職種別では、「オフィスワーク系」(+70円、+4.7%)、「IT・技術系」(+84円、+4.0%)、「クリエイティブ系」(+52円、+2.9%)、「営業・販売・サービス系」(+6円、+0.4%)はプラスを記録した一方で、「医療介護・教育系」(▲7円、▲0.5%)だけがマイナスとなっています。派遣スタッフを詳しく見ると、「オフィスワーク系」のOAオペレータ、また、「IT・技術系」のOAインストラクターが前年同月比▲100円を超えて大きなマイナスです。地域別では関東でマイナス、関西と東海でプラスと分かれました。
派遣スタッフ、アルバイト・パートともに時給上昇率はジワジワと停滞し始めていますが、まだまだ底堅い印象も十分あります。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的な影響は昨年2020年5月ころに底を打ったように見えることから、雇用については典型的には失業率などで景気動向に遅行するケースが少なくないとはいえ、アルバイト・パートや派遣スタッフのお給料もまだ底堅さが残っている気がします。
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