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2021年10月 8日 (金)

大きく改善した景気ウォッチャーと黒字の続く経常収支をどう見るか?

本日、内閣府から9月の景気ウォッチャーが、また、財務省から8月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+7.4ポイント上昇の42.1、先行き判断DIも+12.9ポイント上昇の56.6を記録しています。ともに、大幅な改善を見せています。また、経常収支は、季節調整していない原系列で+1兆6656億円の黒字を計上しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を、景気ウォッチャーについては読売新聞のサイトから、経常収支については日経新聞のサイトから、それぞれ引用すると以下の通りです。

9月の街角景気、2か月ぶり改善...前月比7.4ポイント上昇
内閣府が8日発表した9月の景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な小売店主らに聞いた「街角景気」の現状を3か月前と比べた判断指数(DI、季節調整値)は前月比7.4ポイント高い42.1で、2か月ぶりに改善した。
2~3か月先の景気の見通しを示す先行き判断指数は前月比12.9ポイント上昇の56.6となり、3か月ぶりに改善した。
8月の経常収支、1兆6656億円の黒字 86カ月連続黒字
財務省が8日発表した8月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆6656億円の黒字だった。黒字は86カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は1兆5409億円の黒字だった。
貿易収支は3724億円の赤字、第1次所得収支は2兆4259億円の黒字だった。

短いながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、色分けは凡例の通りです。影をつけた期間は景気後退期を示しているんですが、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に同定しています。

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ということで、景気ウォッチャーは現状判断DIも、先行き判断DIも、ともに大きくジャンプしました。すべての要因は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的影響の緩和であり、ひとつは新規感染者数の減少により、予定通りに、9月末をもって緊急事態宣言が解除され、しかも、まん延防止等重点措置も講じられることなく、完全解除となりましたから、マインド的には大きなインパクトあったと考えるべきです。そして、もうひとつはそのバックグラウンドとなったワクチン接種の進展です。ですから、現状判断DIの前月差で見て、合計+7.4ポイント上昇で、それはそれとして大きな上昇なんですが、3つのカテゴリーに分けると、家計動向関連が+9.6ポイント上昇したのに対して、企業動向関連はわずかに+2.0ポイントにとどまっています。もちろん、半導体などの自動車部品の供給制約も含めての結果と私は受け止めています。家計動向関連の中でも、飲食関連+12.8ポイント、サービス関連+10.7ポイント、小売関連+8.9ポイント、などとなっています。このため、統計作成館長である内閣府では、基調判断を8月の「持ち直しの期待がみられる」から9月には「持ち直しが続くとみている」に、ビミョーに上方修正しています。ただし、いつもの私の考えですが、経済の先行き見通しは完全にCOVID-19次第となりました。またまた新たな変異株が新規感染者を増加させて緊急事態宣言が出たりすると、元の木阿弥になりかねません。少なくとも、前政権は検査体制を含めて医療体制の整備にはまったく関心を示しませんでしたから、感染拡大に従って緊急事態宣言が出て、感染減少に伴って緊急事態宣言が解除される、という繰り返しでしたが、現在の岸田内閣には、PCR検査の拡充も含めて、何とか抜本的な医療体制整備を図ってほしいと私は考えています。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。引用した記事では、輸出が大幅増としていますが、昨年2020年5~6月ころは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックの経済への影響がもっとも大きかった時期ですので、今年2021年年央まで前年同月比で見れば、輸出入とも大きな増加を示している結果となっているだけです。輸出については、我が国は世界経済が順調に拡大している恩恵を享受していて、輸入は国内景気が伸び悩む中で国際商品市況における石油価格の値上がりから増加を示している、ということになります。ただし、8月統計については、マクロでは世界経済の回復が我が国輸出に拡大効果をもたらしているのですが、マイクロな効果として、自動車産業への半導体などの部品供給制約が強まり貿易収支は赤字を記録しています。これも、東南アジアにおける新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響が大きな要因と考えられており、エコノミストには少し先行きが見通しにくくなっている気がします。

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