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2021年11月12日 (金)

来週月曜日公表予定の1次QE予想はマイナス成長の予想が並ぶ!!!

必要な統計がほぼ出そろって、来週月曜日の11月15日に7~9月期GDP統計速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。9月末まで首都圏や関西圏などに4回目の緊急事態宣言が出ていて消費が冷え込んだ上に、半導体不足などの供給制約を背景に自動車をはじめとして輸出が減少しており、これらの影響が気にかかるところです。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の10~12月期から先行きの景気動向について重視して拾おうとしています。もっとも、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の動向は、いまだに終息とはいいがたいと受け止められており、何とも不透明ですから、各シンクタンクでも、そのあたりは気にかけているようで、ほとんどの機関で先行きについて言及しています。逆に、先行きについて言及がないのは、テーブルの下の方の三菱系の2機関、すなわち、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと三菱総研だけでした。逆に、大和総研とみずほリサーチ&テクノロジーズのリポートでは長々と10~12月期の見通しを詳述しているのですが、ここでは少し短めにカットしてあります。これらも含めて、詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。なお、どうでもいいことながら、第一生命経済研は新旧の2種類のリポートを明らかにしており、腰の定まらないところなんですが、成長率予想の数字については新しいリポートから、ヘッドラインの文言については古い方のリポートから、それぞれ引用しています。リンク先も古い方のリポートです。"pdf" が何のことか分からない人はリポートのダウンロードを諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.1%
(▲0.5%)
10~12月期を展望すると、ワクチン接種の進展と、それに伴う活動制限の緩和を背景に、個人消費の回復が本格化するほか、自動車生産の持ち直しも景気を押し上げるため、高めのプラス成長となる見通し。
大和総研▲0.2%
(▲0.9%)
10-12月期の日本経済は、ワクチン接種の進展などにより感染状況が大幅に改善し、経済活動の正常化が進むことで、個人消費を中心に回復基調が鮮明になろう。自動車の供給制約が残存することで家計の自動車購入や輸出は緩やかな増加にとどまるものの、実質GDPは2四半期ぶりのプラス成長となると見込んでいる。
個人消費は、4回目の宣言などが9月30日をもって解除されたことにより宿泊、飲食、教養娯楽関連などへの支出の増加が見込まれる。10月25日には首都圏4都県と大阪府で飲食店への営業時間短縮の要請が解除されるなど、経済活動の正常化が進んでいる。ただし、店舗においては引き続き一定の感染症対策が取られ、人出の回復も緩やかなものとなるとみられることから、個人消費は当面、感染拡大前の水準を下回って推移するだろう。自動車購入については、複数の自動車メーカーが10月以降も当初の予定より減産する見通しであり、供給制約が続くことで軟調に推移するとみられる。
みずほリサーチ&テクノロジーズ+0.0%
(+0.1%)
10~12月期以降の経済活動は、回復に向かうとみてよいだろう。政府は感染や医療体制の状況改善に伴い、9月末で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を全面的に解除した。解除後1カ月は経過措置として飲食店の時短要請やイベント開催制限を実施(罰則はない)したが、感染者数が引き続き全国的に減少傾向で推移したことを受け、10月25日には東京都など首都圏4都県と大阪府で飲食店に対する時短要請が解除された。また、政府は10月に接種・陰性証明者への制限緩和策(「ワクチン・検査パッケージ」)の実証実験を一部地域で行い、11月から本格的に運用する方針だ。民間企業においても、「ワクチン・検査パッケージ」に類似した営業システム・サービスを独自に導入する動きがみられる。年度後半はワクチンが現役世代まで普及することに加え(20~30歳代の2回目普及率も11月中には70%程度まで達する見通し)、こうした官民でのワクチン接種証明の利活用が押し上げ要因になり、サービス消費は回復に向かう見通しだ。個人消費のけん引役は財からサービスへのシフトが鮮明になるだろう。
ただし、デルタ株の感染力の強さやワクチンの感染防止効果に関する研究結果等を踏まえると、ワクチン普及のみでは集団免疫の獲得は難しく、2022年も感染の懸念が残る状況になると考えられる。ワクチンを打っていない子どもと同居する親世代、あるいは重症化した場合の感染リスクが相対的に高い高齢者などを中心に、消費者の一部ではワクチン接種後も慎重姿勢が残ることが予想され、ペントアップ需要は全体としてみれば限定的になるだろう。
ニッセイ基礎研▲0.2%
(▲0.9%)
緊急事態宣言は9月末で解除されたため、10月以降は外食、旅行などの対面型サービスを中心に個人消費が持ち直しているとみられる。現時点では10-12月期の実質GDPは民間消費の高い伸びを主因として前期比年率5%台の高成長を予想している。ただし、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う行動制限の強化、半導体不足などの供給制約の長期化、国際商品市況の上昇を受けた交易条件の悪化など、リスク要因は多い。
第一生命経済研▲0.2%
(▲0.7%)
10-12月期については持ち直しを予想している。感染者数の減少により9月30日をもって緊急事態宣言は解除され、人出も戻りつつある。これまで抑制されてきたサービス消費の増加が予想されることから、10-12月期から1-3月期にかけて個人消費のリバウンドが予想される。7-9月期に大幅減産となった自動車について、10-12月期以降に持ち直しが見込まれることも押し上げ要因になるだろう。
一方で懸念されるのはエネルギー価格の上昇だ。これから冬を迎え、エネルギー消費が増えるタイミングでの価格高騰は、家計の実質購買力低下やマインド悪化を通じて景気回復ペースを抑制する要因になりうる。また、中国経済の減速が輸出に与える影響にも注意が必要だ。10-12月期以降に高成長が実現するという見方を変更する必要はないとみているが、回復のペースについてはこれまで予想していたよりも鈍いものになる可能性が出てきた。
伊藤忠総研▲0.1%
(▲0.2%)
翌10~12月期は、個人消費がコロナ感染の沈静化や緊急事態宣言解除に伴う各種制限の緩和などを受けて回復に向かい、輸出も欧米など需要地においてコロナ感染の影響が徐々に収束し再び増勢を取り戻す見通しである。こうした内外需の復調を受けて設備投資も拡大基調は維持し、実質GDP成長率は前期比でプラスを取り戻すと予想。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.5%
(▲2.2%)
2021年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比-0.5%(年率換算-2.2%)と2四半期ぶりにマイナス成長に陥る見込みである。夏場の感染第5波の拡大と4回目の緊急事態宣言の発出によって経済活動が抑制されたことに加え、半導体不足やグローバルサプライチェーンの混乱の影響で自動車の生産が急減したことが影響した。
三菱総研▲0.4%
(▲1.7%)
2021年7-9月期の実質GDPは、季節調整済前期比▲0.4%(年率▲1.7%)と2四半期ぶりのマイナス成長を予測する。

テーブルを見れば明らかな通り、みずほリサーチ&テクノロジーズを除いて軒並みなマイナス成長が予想されています。ただ、押しなべてゼロ近傍の横ばい圏であることも確かです。GDPコンポーネントで少し詳しく見ると、基本的には、緊急事態宣言に伴う消費の低迷、さらに、半導体供給制約をはじめとする世界的なサプライチェーンの混乱などの要因により自動車生産が急減し輸出が停滞したことなどが響いている印象です。消費の低迷については、いくぶんなりとも、無観客にせよ東京オリンピック・パラリンピックを強行開催したツケであると考えるべきです。そのために、内閣がひとつ交代させられたわけです。逆に、足元から先行きについては、これらのネガな要因が緩和されることによる成長加速が見込める、というのが各シンクタンクの一致した見方となっています。もっとも、消費がコロナ前にそのまま戻るとは考えられませんし、サプライチェーンの混乱がどこまで解消できるかもコロナ次第の面があります。加えて、国際商品市況における石油価格の上昇がインフレ圧力を強めており、我が国だけは「デフレ脱却に追い風」のような考えが成り立たないわけではないものの、家計や企業の実質購買力には当然ダメージがあり、景気の下押し要因となる可能性が高いと考えるべきです。
最後に、下のグラフはニッセイ基礎研のリポートから引用しています。

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