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2021年12月30日 (木)

今年最後の読書感想文!!!

今年最後の読書感想文は以下の通り計7冊です。
このブログで取り上げた新刊書だけで、1~3月期に56冊、4~6月も同じく56冊、7~9月で69冊と夏休みの時期があって少しペースアップし、さらに、その後、本日の7冊を含めて10~12月で65冊、今年の総計で246冊になりました。200冊は軽く越えるとして、やや250冊には届かない、ということで、私としては標準的な読書だった気がします。今年のベスト経済書は、私自身がどこかの経済週刊誌に回答した野口旭『反緊縮の経済学』が抜群だと思うのですが、私の見方は決して多数意見ではないようで、例えば、日経新聞のサイトでは「エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10」と題して、ロバート J. シラー『ナラティブ経済学』、櫻川昌哉『バブルの経済理論』、ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』などが並んでいます。純粋に経済書ではないかもしれませんが、マイケル・サンデル『実力も運のうち』などもトップテンに入っています。さすがに、私はほぼほぼこれらは読んでいるのですが、『監視資本主義』だけは積ん読になっています。来年早々にも読みたいと思っています。
以下、最後の読書感想文を手短に抑えておきます。

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まず、辻村雅子・辻村和佑『マクロ経済統計と構造分析』(慶應義塾大学出版会) です。著者は、立正大学と慶應義塾大学の研究者です。私が公務員試験の準備でマクロ経済学の勉強を始めた時のテキストは、SNA統計が冒頭に置かれていたように記憶していますが、本書も、SNA統計を軸にして幅広いマクロ経済学を対象に議論を展開しています。出版社からみても、明らかに学術書なので一般読者を想定しているわけではないのでしょうが、上回生の学部生や博士前期課程1回生あたりの大学院生のマクロ経済学のテキストとしても利用な可能なレベルであると私は受け止めています。

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次に、日経BP[編]『世界を変える100の技術』(日経BP) です。冒頭の第1章を別にすれば、7章構成で100項目の技術を取り上げており、、エネルギー、ヘルスケア、IT、ライフ&ワーク、マテリアル&フード、セキュリティ、トランスポーテーション、となっています。私のようなエコノミストには理解の難しいテクノロジーが少なくなかったのですが、印象に残ったのは、35番ヘルスケアの「ころんだときだけ柔らかくなる床」、54番ライフ&ワークの「民間デジタル通貨」、57番これもライフ&ワークの「幸福度計測」といったあたりでした。

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次に、玉木俊明『金融化の世界史』(ちくま新書) です。著者は、京都産業大学の研究者で、私はこの著者の歴史研究成果の新書は大好きでいっぱい読んでいます。ただ、本書は、少し金融化の視点が違っている気がします。特に、タックスヘブンを強引に割り込ませている点が少し残念です。税制と金融に関する本書の議論は、ほとんど説得力ないと感じざるを得ませんでした。この両者を切り分けて考えた方がいいような気がします。

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次に、栗田路子ほか『夫婦別姓』(ちくま新書) です。著者は、海外在住で日本にルーツのあるジャーナリストが寄稿しています。各国事情としては、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、米国とキリスト教国が並んだ後に、東アジアの中国と韓国が配されています。イスラム圏はダメだったんだろうか、という気がしてなりません。ただ、本書でも指摘されているように、法律で夫婦同姓を矯正する数少ない日本に住む身として、私は熱烈に選択的夫婦別姓を支持していますが、かならずしも、海外の例を参考に引く必要もなさそうな気もします。日本は日本で独自の選択的夫婦別姓の制度を構築すればいいだけ、と考えるのは私だけでしょうか?

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次に、高木和子『源氏物語を読む』(岩波新書) です。著者は、東大の研究者であり、平安文学を専門としています。『源氏物語』は、私も円地文子現代訳で飛読んだことがありますが、全体像をこのようにコンパクトに解説してもらえれば、とても参考になります。ただし、解説書で止まっているのではなく、現代訳のいくつか出ているところですし、『源氏物語』そのものも読むべきであろうと私は受け止めています。

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次に、立石博高『スペイン史10講』(岩波新書) です。著者は、東京外国語大学の学長も務めた研究者であり、スペイン近代史の専門家です。私は、在チリ日本大使館勤務の経験がありますので、それなりにスペイン語には親しみを持っていますが、まだ、スペインを訪れたことはありません。ファシズム期の人民戦線、フランコ独裁から民主化、そして、左翼政権での改革の推進と、日本並みにドラスティックな戦後史を持つスペインをコンパクトに解説しています。

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最後に、倉山満『ウルトラマンの伝言』(PHP新書) です。著者は、皇室史や憲政史の研究者として大学で憲法を教えていた経験もあるそうです。そして、本書は、『ウェストファリア体制』と『ウッドロー・ウィルソン』に続く3部作の完結編だそうですが、私は前2作を読んでいませんので、よく判りません。そういった周辺事情はさておき、私も決して嫌いではないので、趣味の範囲で、阪神タイガース、ポケモン、などとともにウルトラマンは興味を持って情報に接しているのですが、ここまで的を得て幅広いウルトラマンの解説書は初めてであり、一級品といえます。倅どもは、当然ながら、かなりの程度に私と趣味を同じくしているわけで、2人に共通してポケモン、そして、上の倅は阪神タイガース、下の倅はウルトラマンなのですが、下の倅にもオススメしたいと考えています。

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