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2022年2月 1日 (火)

2021年12月の雇用統計は底堅いのか、それとも、回復が遅れているのか?

本日、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が公表されています。いずれも昨年2021年12月の統計です。失業率は前月から▲0.1%ポイント低下して2.7%を記録し、有効求人倍率は前月から+0.1ポイント上昇して1.16倍に達しています。全体として、雇用は緩やかな改善が続いている印象です。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

21年の求人倍率1.13倍、3年連続低下 雇用回復鈍く
雇用の回復が鈍い。厚生労働省が1日発表した2021年平均の有効求人倍率は1.13倍と、前年比0.05ポイント下がった。下げ幅は新型コロナウイルスの感染拡大1年目の20年(0.42ポイント)より縮んだものの、3年連続のマイナスで14年(1.09倍)以来の水準に落ち込んだ。総務省が同日発表した21年平均の完全失業率は2.8%で前年から横ばいだった。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す。21年12月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01ポイント上昇の1.16倍だった。コロナ後の底だった20年秋の1.04倍からは徐々に持ち直している。18年から19年にかけて1.6倍を超えていた水準はなお遠い。
21年の有効求人数は1.6%増の219万人と3年ぶりに増加に転じた。有効求職者数は6.6%増の194万人で、伸び率は求人数を上回った。求人に対して実際に職に就いた人の割合を示す充足率は13.4%で、前年から0.3ポイント下がった。
21年12月の完全失業率(季節調整値)は2.7%で前月に比べて0.1ポイント低下した。21年平均は2.8%で、コロナ前の19年の水準(2.4%)には戻らなかった。感染拡大の繰り返しで、雇用情勢の回復は遅れている。完全失業者数は193万人と前年から2万人増え、2年連続の増加となった。
21年平均の労働力人口は6860万人と前年から8万人減った。就業者も9万人減の6667万人で、いずれも2年連続の減少となった。15歳以上人口に占める就業者の割合を示す就業率は60.4%で前年比0.1ポイント上昇した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。ただし、どうしても12月データが利用可能になりましたので、年次統計の着目していて、もう少し頻度の高いデータで景気動向を探ろうという私の視点からはズレているような気もします。続いて、雇用統計のグラフは下の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。影を付けた部分は景気後退期を示しています。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスについては、失業率が2.8%と前月統計から横ばいが予想されていた一方で、有効求人倍率は1.16倍と前月から改善する見込みが示されていました。有効求人倍率は市場の事前コンセンサス通りでしたが、失業率はわずか0.1%ポイントながら予想より改善が進んでいます。引用した記事では、雇用の回復が鈍い印象を与えるようなタイトルとなっていますが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミック前の失業率や有効求人倍率と比較していますので、パンデミック終息前にその水準に戻るのは難しいのではないか、という視点も必要な気がします。ですから、引用した記事の見方はやや悲観的に過ぎるように私は受け止めています。他方で、昨年2021年12月における統計の調査時点によっては、COVID-19オミクロン型変異株の感染拡大前の数字であろう、という気はします。その意味では、このままでは楽観的に過ぎる数字のような気もします。先行きはコロナ次第、というのは私のエコノミストとしての限界です。

いずれにせよ、雇用は底堅くはあるものの、もう一段の回復があればデフレ脱却にプラスであることはいうまでもありません。春闘の時期を迎えて、あらゆる意味で、賃金が上がることを願っています。

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