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2022年3月 1日 (火)

ウクライナ侵攻に反対する声が大きいのはなぜか?

どうも、昨年のミャンマー軍のクー・デタとか、中国のウイグル人権問題とか、イラクのアサド政権の自国民への化学兵器使用とか、いろんな問題がある中で、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、少なくとも私が接する範囲で国内的な反響はもっとも大きいような気がします。というのも、私はミャンマーの軍事クー・デタ反対のデモには参加したのですが、そのデモにいっしょに行った同僚教員から「薔薇マークキャンペーン」からも声明を出したと連絡をちょうだいしましたので、薔薇マークキャンペーンのサイトの声明のコーナーを見てみました。ミャンマー軍のクー・デタとか、ウイグル人権問題とか、シリアの化学兵器などの声明が出されたとは、私には確認できませんでした。ちなみに、もっと大幅に貧弱な私のブログというメディアでも、同じ状況で、昨年4月にミャンマー軍のクー・デタ反対デモに参加したとか、北川成史『ミャンマー政変』(ちくま新書)を読んだとかは取り上げたものの、ウイグル人権問題とか、シリアの化学兵器については、特に言及していません。
でも、先週2月25日には「雑感」としつつも、私もブログでロシアのウクライナ侵攻に言及しています。どうしてか、という自分自身の意識対する見方も含めて、やや客観的に分析すると、もちろん、一連の人権侵害やひどい行為に比べても格段に悪辣な戦争行為であることは当然としても、2月25日付けの記事の見方にも半分くらい現れているように、おそらく、ロシアのプーチン大統領個人のほぼ独断に近い判断でなされているだけに、声を上げれば届く可能性が決してそれほど低くない、と見なしているような気がします。特に、ロシア国内における反対意見は強権的に弾圧されるだけの結果で終わる可能性が高い一方で、海外からの意見の方が少なくともロシア治安組織による弾圧には抵抗力ある気がします。
私が常々考えているのは、マイクロな経済学的な選択の問題は、私にとってはそれほど重要ではありません。もう一度強調しておきますが、「それほど重要ではない」というのは、あくまで私にとって、という意味であって、世間一般や学術界における重要性ではありません。加えて、いわゆる行動経済学的に、あるいは、マーケティング・サイエンスによって、個人の選択はかなり操作性が高いということもあります。それに対して、もっと、マクロ経済学的、というよりも、むしろ、collective な選択や判断については、マルクス主義的な疎外や物神的なパワーも加わって、より強く私の興味を引きます。加えて、行動経済学、あるいは、マーケティング・サイエンスの影響からは常に逃れられない可能性は残るものの、collevtive な選択や判断は変更されにくい気がする一方で、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、どうやら、collective な選択ではなく、プーチン個人の独断による選択や判断に基づいている可能性が十分あるように私には見受けられます。もしも、そうなのであれば、ひょっとしたら、何らかの圧力で簡単にひっくり返る可能性もあるのではないか、という気もします。その点で反対意見を表明するコスパがいいわけです。

この問題についてコスパで議論する不謹慎さは承知していますし、今日のところは、経済的な選択や判断の観点からだけ取り上げましたが、もちろん、前回2月25日にも強調した通り、経済の観点を離れても、多くの人命が失われたり、戦災に見舞われたり、避難生活を余儀なくされる市民もいっぱいいるわけで、ロシアによるウクライナ侵攻は、到底、許されるものではありません。

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