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2022年5月26日 (木)

+1.7%の上昇を見せた4月の企業向けサービス価格指数(SPPI)の伸びはコストプッシュだけなのか?

本日、日銀から4月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率は+1.7%を記録し、変動の大きな国際運輸を除く平均も+0.9%の上昇を示しています。サービス物価指数ですので、国際商品市況における石油をはじめとする資源はモノであって含まれていませんが、こういった資源価格の上昇がジワジワと波及している印象です。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を手短に引用すると以下の通りです。

4月企業向けサービス価格、1.7%上昇 20年2月以来伸び
日銀が26日発表した4月の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100)は106.7で、前年同月比で1.7%上昇した。伸び率は20年2月(2.1%)以来の大きさで、前年比のプラスは14カ月連続。ロシアのウクライナ侵攻を背景とした燃料費高騰などを受け、運輸・郵便が上昇に寄与した。指数は前月比では横ばいだった。
前年比で上昇したのは運輸・郵便のほかに、宿泊サービス、広告などがあった。宿泊サービスは3月下旬のまん延防止等重点措置の解除を受け需要が増えた。広告は金融や通販関連向けの需要が堅調であったことから上昇した。今後は「国内における行動制限の緩和や、海外からのビジネス客、観光客の受け入れ増加が各種サービス需要に与える影響に注目している」(日銀)という。
調査の対象となる146品目のうち価格が前年同月比で上昇したのは91品目、下落は21品目だった。

極端なまでにコンパクトに取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)のグラフは下の通りです。上のパネルはヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)の国内物価上昇率もプロットしてあり、下のパネルは日銀の公表資料の1枚目のグラフをマネして、国内価格のとサービス価格のそれぞれの指数水準をそのままプロットしています。企業向けサービス物価指数(SPPI)が着実に上昇トレンドにあるのが見て取れます。影を付けた部分は、日銀公表資料にはありませんが、景気後退期を示しています。

photo

上のグラフで見ても明らかな通り、企業向けサービス価格指数(SPPI)の前年同月比上昇率の最近の推移は、昨年2021年4月にはその前年2020年の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響の反動もあって、+1.0%の上昇となった後、本日公表された今年2022年4月統計まで13か月連続で+1%以上の上昇率を続けています。前年同月比プラスも2021年3月から14か月連続です。基本的には、石油をはじめとする資源価格の上昇がサービス価格にも波及したコストプッシュが主な要因と私は考えています。もちろん、新興国や途上国での景気回復に伴う資源需要の拡大に加えて、ウクライナ危機の影響もあります。もう少し詳しく、SPPIの大類別に基づく4月統計のヘッドライン上昇率+1.7%への寄与度で見ると、石油価格の影響が強い運輸・郵便が+0.64%、土木建築サービスや宿泊サービスなどの諸サービスが+0.46%、景気に敏感なテレビ広告をはじめとする広告が+0.27%、リース・レンタルが+0.14%、損害保険、金融手数料などの金融・保険が+0.13%、不動産が+0.12%、などとなっています。また、寄与度ではなく大類別の系列の前年同月比上昇率で見ても、特に、運輸・郵便は+3.9%の上昇となったのは、燃料価格の上昇が主因であると考えるべきです。もちろん、資源価格のコストプッシュ以外にも、人材系や金融系の需要が拡大したインターネット広告をはじめとする広告の+5.6%の上昇は景気に敏感な項目だけに、需要の盛り上がりによるデマンドプルの要素が大きいと私は受け止めています。ですので、資源価格のコストプッシュだけでなく、国内需要面からもサービス価格は上昇基調にあると考えていいのかもしれません。

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