Sustainable Development Report 2022 を読む!!!
本日、6月2日、サックス教授ほかによる Sustainable Development Report 2022 が明らかにされています。
それほど幅広くもありませんが、私が見た範囲では朝日新聞が「日本のSDGs達成度、世界19位に低下 増えた『最低評価』」と題した記事で報じています。我が国のランキングに着目しているわけですが、それもそのはずで、500ページ近いリポートのうちで400ページあまりが Country Profile になっています。国際的なこういったリポートに注目するのは私のこのブログの特徴のひとつですので、Exective Summary からグラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、上のグラフはリポートから SDG Index Score over time, world average を引用しています。見れば判るように、2010年から2021年までです。SDGsは2015年から始まっていますので、その少し前からプロットしています。グラフでは不明瞭なのですが、リポートでは、2021年のSDGスコアはわずかながら2020年から悪化したと報告しています。すなわち、"The average SDG Index score slightly declined in 2021, partly due to slow or nonexistent recovery in poor and vulnerable countries." ということであり、要するに新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響です。低所得国においてゴール1の貧困とゴール8の雇用と成長がCOVID-19パンデミック前の水準に回帰していない、と指摘しています。すなわち、"Multiple and overlapping health and security crises have led to a reversal in SDG progress. Performance on SDG 1 (No Poverty) and SDG 8 (Decent Work and Economic Growth) remains below pre-pandemic levels in many low-income countries (LICs) and lower-middle-income countries (LMICs)." ということです。
続いて、上のグラフはリポートから Governments' Commitment and Efforts for the SDGs Score (pilot version) versus SDG Index Score を引用しています。元のグラフにはありませんが、やや見にくいので、日本のところに下向きの青矢印を追加してあります。当然ながら、政府のコミットメントとSDGスコアの間には緩やかな正の相関が見られます。"policy efforts and commitments supporting the SDGs vary significantly across countries, including among G20 countries. Ambitious and sound national targets, strategies, and plans are crucial to turning the SDGs into an action agenda." ということです。
最後に、上の画像はリポートp.252から Japan country profile を引用しています。世界第19位というランクなのですが、特にゴール5のジェンダー格差が低スコアであり、加えて、ゴール12や13以下の環境関係のスコアが低くなっています。
ちなみに、リポートpp.14-15 の Table 2.1 2022 SDG Index ranking and score では世界163か国のランキングとスコアが明らかにされています。1位フィンランド、2位デンマーク、3位スウェーデンと上位は北欧諸国が独占しています。日本は昨年の18位から19位にランクダウンしていますが、一応、それでもアジア域内ではトップだったりします。
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