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2022年7月19日 (火)

内閣府による「生産側系列の四半期速報 (生産QNA)」やいかに?

先週金曜日の7月15日に、内閣府から生産側系列の四半期速報(生産QNA)が公表されています。従来のQEは"E"で示されているように支出額 expenditure を基にした推計だったのですが、生産側、すなわち、産業別の四半期GDPが、支出側からかなり遅れるとはいえ公表の運びとなりました。興味津々で簡単に取り上げてみたいと思います。

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まず、上のグラフは生産側のQNAの産業別寄与度の推移です。緑色の細い折れ線がQNAの前期比成長率で、それに対して産業別寄与度のうち、製造業と卸売・小売業だけを抜き出しています。2008年から2009年にかけてのリーマン・ショック時、さらに、2011年の東日本大震災福島第一原発のメルトダウンの際の産業別寄与度の推移を、やや、私の主観に依存するのですが、絶対値で大きなものを抜き出したつもりです。リーマン・ショックの際には為替が大きく円高に触れて製造業がダメージを受け、同時に、マインドの面から卸売・小売業もマイナス寄与が大きかったです。震災時も自動車部品の供給制約などから製造業のマイナス寄与が目立っています。これらが四半期データで確認できるわけです。

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続いて、上のグラフは同じく2020年からのコロナ・ショックの際の産業別寄与度のうち、運輸・郵便業と宿泊・飲食サービス業だけを抜き出しています。2020年4~6月期の大きなマイナス成長に対して、それなりの寄与をもっている点が見て取れます。

ということで、長い歴史ある支出側のQEに比較して、生産側統計のQNAの利用に関しては、私もまだまだ未経験な部分が多く、今後の活用については考えたいと思います。何らかの学術論文に利用できるのではないか、と期待していますが、毎年夏休みに執筆している紀要論文については、今年の分はもう決まっていますので、世間一般の利用状況なんぞを確認しつつ、今後の活用について考えたいと思います。最後の最後に、GDPについてはいわゆる三面等価が成り立って、QEの支出、QNAの生産、そして、所得=分配が一致します。QEに加えてQNAの公表が始まりましたので、所得=分配側の四半期GDP統計の公表も待ち遠しいところです。

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