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2022年7月10日 (日)

7月10日ウルトラマンの日の雑感やいかに?

今週と来週で大学の授業が終わる予定で、もう授業準備に追われることもないので、ややのんびり過ごしています。そんな7月10日(日)のウルトラマンの日の雑感です。
まず、第1に、選挙と安倍元総理の暗殺について。いろいろと思うところあります。一応、私は小泉内閣の最後の方、正確には郵政選挙の際の「政治空白」めいた時期の2005年8月に、内閣官房に人事異動しています。官邸詰めではなかったのですが、官邸スタッフの一員とみなされます。その結果、おそらく、平均的な日本人よりは安倍元総理を、官房長官のころから身近に感じられるポジションにありました。繰り返しになりますが、ですから、いろいろと思うところがあります。まず、エコノミストとしては、少なくとも金融政策については評価されるべきですし、財政政策についても第2次内閣発足直後の2013年度についてはOKだと思います。しかし、2014年度の消費税率引上げあたりから財政政策は緊縮化したと受け止めています。マクロ経済政策で決定的に欠落していたのは分配政策です。ですから、経済格差が拡大したのは事実だろうと思います。それでも、全体としては経済政策は十分に評価されるべきです。アベノミクスの成果が国政選挙の連戦連勝につながっている点は、見逃すべきではありません。ただ、経済政策を離れれば、集団的自衛権に関する「解釈改憲」、特定秘密保護法などの安全保障政策については、私は専門外ながら、まったく評価しません。
第2に、今回の暗殺は言論の封殺という意味では許しがたい暴挙ですが、安倍元総理が国会で100回を超える虚偽答弁を行ったというのも忘れるべきではありません。もちろん、暗殺というのは、人間として生命を断つ行為ですから、同列に論ずることが出来ないのは理解しています。でも、暗殺されたからといって、虚偽答弁をはじめとする森友学園・加計学園、あるいは、桜を見る会などの疑惑が消えてなくなるわけではありません。キチンとした解明がなされるべきです。
第3に、安倍元総理の疑惑を考える際に、辞任を表明した英国のジョンソン首相との比較で、日本の民主主義が未成熟である点を改めて思い知らされました。ただし、これは国民のリテラシーに大いに相関しているのだと私は理解しています。どうじに、暗殺の容疑者の周辺情報を報じる際に、「宗教団体」としか報じられないメディアのリテラシーの低さも併せて考えるべきです。「報道の自由」や「国民の知る権利」に基づいて、犯罪加害者、というか、その家族などにはあれほどの取材姿勢を見せる一方で、今回の「宗教団体」報道では及び腰だと考えるのは私だけではないと思います。
最後に、メディアや国民のリテラシーの低さに大きな「貢献」をしてしまったひとつの要因は教育の質の低さだと、教員として反省しています。

国民、メディア、そして、政治のリテラシーが低い、というのが3すくみで進行していて、国全体として劣化が進んでいる可能性があります。教育にたずさわる身として、何とかしたいという意欲がある一方で、自分自身に大した能力もないという現実もあり、悩ましいところです。

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