« 心理学や行動経済学に関する疑問やいかに? | トップページ | 上場企業の女性役員は増加しているのか? »

2022年8月23日 (火)

紀要論文向けの確率的景気指標の推計を終える!!!

毎年夏休みには細々と学術論文を書くことにしており、今年の夏休みは確率的景気指標の推計を試みていて、何とか、それなりの推計結果が出ました。内閣府で公表している景気動向指数のうちのCI一致指数と並べてプロットしたのが下のグラフです。

photo

推計したのは、いわゆるストック-ワトソン型の確率的景気指標です。すなわち、真の景気指標は観察不能である一方で、生産、雇用、所得、消費といった観察可能な一般的な経済指標に影響を及ぼしている、という考えに基づいて、観測不能変数を状態空間表現してカルマン・フィルターで解いています。まあ、これで理解できれば、とても頭がいいと言えるかもしれませんが、私もこれ以上に判りやすく説明する能力はありません。
上のグラフからも明らかな通り、やや難があるのは景気動向指数よりも動きが極端に大きく、ボリューム感を正確に表現しているとは思えない点です。でも、少なくとも、景気の山と谷についてはそこそこいいセンを行っていると自負しています。今年2022年7月19日に開催された第21回景気動向指数研究会では、第16循環の景気基準日付について、景気の山を2018年10月、景気の谷を2020年5月に確定していますが、この景気転換点は正しく推計されています。加えて、2011年3月の震災による景気の落ち込みも正確に捉えています。ただ、何のヒネリ、というか、新規のチャレンジはまったくなく、学術的な貢献がほぼほぼゼロであることは自覚しています。まあ、役所を定年退職した後にそこそこ名のある大学に教授職を得て、何となく学者のフリをして自己満足的に年1本だけ論文を書いている、ということなのかもしれません。

今週中に論文として完成させて提出し、9月発行予定の紀要に掲載してもらおうと考えています。

|

« 心理学や行動経済学に関する疑問やいかに? | トップページ | 上場企業の女性役員は増加しているのか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 心理学や行動経済学に関する疑問やいかに? | トップページ | 上場企業の女性役員は増加しているのか? »