« 今日は27回目の結婚記念日!!! | トップページ | サトシ世界チャンピオンおめでとう »

2022年11月11日 (金)

+9.2%の上昇を記録した企業物価指数(PPI)の先行きを考える

本日、日銀から10月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+9.1%を記録しています。国内物価の2ケタ上昇は9月の+10.2%だけで終りとなるのでしょうか。まず、日経新聞のサイトから統計を報じる記事を引用すると以下の通りです。

企業物価指数9.1%上昇 10月、電力・ガスで価格転嫁
日銀が11日発表した10月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は117.5と7カ月連続で過去最高を更新した。前年同月比9.1%上昇し、20カ月連続で前年の水準を上回った。ロシアのウクライナ侵攻で資源価格の高止まりが続き、電力やガスを中心に価格転嫁の動きが広がっている。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示している。10月の上昇率は民間予測の中心値である8.8%を0.3ポイント上回った。同日改定された9月の上昇率は10.2%上昇と1980年12月以来の高水準になった。
品目別では、電力・都市ガス・水道(43.2%)、鉱産物(27.5%)、鉄鋼(22.4%)などの上昇が顕著だ。鉄鋼では自動車向けの鋼材が値上がりした。原材料やエネルギー価格の上昇が続いている。半期に一度の価格改定のタイミングが重なったことも全体の押し上げにつながった。
円安による価格上昇圧力も継続している。10月の外国為替市場では一時1ドル=151円90銭台と32年ぶりの安値を記録した。輸入物価の上昇率は、ドルなどの契約通貨ベースでは16.6%だが、円ベースでは42.6%となった。輸入物価に占める為替要因は61%と、高水準で推移している。
公表している515品目のうち、上昇したのは434品目、下落したのは65品目だった。

いつもの通り、包括的に取りまとめられています。続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率をプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

photo

引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、企業物価指数(PPI)のヘッドラインとなる国内企業物価の前年同月比上昇率は+8.8%と見込まれていましたので、実績の+9.1%はやや上振れした印象です。ただし、
このブログでは何度も繰り返していますが、PPI上昇の要因は主として2点あり、とりあえずの現象面では、コストプッシュが大きな要因となっています。すなわち、第1に、国際商品市況の石油価格をはじめとする資源価格の上昇、さらに、第2に、ディマンドプルの要因も含みつつ、為替レートが減価している円安要因です。また、少し前までの我が国製造業のサプライチェーンにおける半導体などの供給制約については、私も詳しくないのですが、報道ではそれほど見かけなくなりましたので、後景に退いている気がします。品目別には、引用した記事の3パラめにあるように、電力・都市ガス・水道+43.2%、鉱産物+27.5%のほか、大類別では、鉄鋼+22.4%、金属製品+13.0%が2ケタ上昇となっています。消費者の国民生活に強く関連する飲食料品+6.9%も高止まりしています。ただし、注目の石油・石炭製品は9月の+14.5%上昇から、10月にはわずかに+2.6%に上昇率が大きく縮小しています。

政府では物価高対策として石油元売り各社や電力会社などの大企業への補助金を経済対策に盛り込んでいますが、こういった補助金は市場における価格メカニズムに歪みを生じて、化石燃料価格の上昇による地球温暖化=気候変動の緩和効果を大きく減殺します。SDGsに反した政策であると考えるべきです。ですから、消費者や中小企業へのきめ細かな所得支援が代替策として考えられるのですが、ここはさらにシンプルに、時限措置でもOKかと思いますので、インフレ対策としての消費税率の引下げが検討されて然るべき、と私は考えています。

|

« 今日は27回目の結婚記念日!!! | トップページ | サトシ世界チャンピオンおめでとう »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 今日は27回目の結婚記念日!!! | トップページ | サトシ世界チャンピオンおめでとう »