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2023年1月18日 (水)

基調判断が下方修正された2022年11月の機械受注をどう見るか?

本日、内閣府から昨年2022年11月の機械受注が公表されています。民間設備投資の先行指標であり、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注が、季節調整済みの系列で見て前月比▲8.3%減の8388億円となっています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

機械受注8.3%減 22年11月、2カ月ぶりマイナス
内閣府が18日発表した2022年11月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」(季節調整済み)は前月比8.3%減の8388億円だった。マイナスは2カ月ぶり。海外景気が減速するとの観測から、企業が設備投資に慎重になっている可能性がある。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値(0.9%のマイナス)を大きく下回った。
単月のぶれを除くため算出した22年9~11月の3カ月移動平均は前期比2.6%減だった。内閣府は基調判断を9~10月の「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「足踏みがみられる」に下方修正した。
業種別にみると、製造業からの受注は9.3%減った。半導体製造装置など電気機械関連は32.7%のマイナスだった。業務用機械関連も15.4%減った。世界経済が減速するとの懸念が背景にあるとみられる。
非製造業からの受注は3.0%減った。マイナスは3カ月ぶり。ITやインターネット関連企業といった情報サービス業は27.6%減少した。先月までの大きな伸びの反動もあったとみられる。リース業は7.6%減った。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、機械受注のグラフは下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

photo

引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注で見て前月比▲1%に達しない程度の微減の予想で、予想レンジの下限では▲3.0%減でしたから、実績の▲8.3%減は大きく下振れた印象です。統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「足踏みがみられる」と明確に1ノッチ下方修正しています。上のグラフで見ても、増加のトレンドが反転した可能性が読み取れると思います。ただし、受注水準としても決して低くはない、と私は受け止めています。産業別に少しだけ詳しく見ると、製造業が▲9.3%減の3860億円、船舶と電力を除く非製造業も▲3.0%減の4698億円と、いずれも減少していますが、海外経済の減速の影響を受ける製造業のマイナス幅がより大きい形になっています。ですから、1ドル130円近い円安で価格競争力が増しているとはいえ、世界経済が先進国を中心にインフレ抑制を目指して金融引締めを継続し明らかに停滞色を強めている中で、輸出に依存する割合が高い製造業の減少幅が、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響が大きいとはいえ内需に軸足を置く非製造業よりも大きくなっているわけです。
先行き機械受注を考えると、11月統計の非製造業のマイナスは、特に、9~10月に大きく増加した情報サービス業からの受注が11月には反動減で▲27.6%減となった影響が大きく、少なくとも非製造業については先行きの機械受注は底堅いと私は感じています。加えて、全国旅行支援やインバウンドの回復もサービス消費を後押しする可能性が高く、非製造業からの機械受注は緩やかながら増加する可能性が高いと見るべきです。他方、製造業については欧米先進国のインフレと景気にもよりますが、さらに受注が減少する可能性も排除できないと私は考えています。

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