帝国データバンク「企業の想定為替レートに関する動向調査」の結果やいかに?
先週金曜日の6月16日に帝国データバンクから「企業の想定為替レートに関する動向調査」の結果が明らかにされています。企業が業績見通しを作成する際の想定レートに関する調査結果です。実勢の市場レートは、現在、1米ドル=140円前後になっていますが、この調査結果では127.61円となっています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果の要旨を3点引用すると以下の通りです。
調査結果
- 想定為替レートは平均1ドル=127.61円
- 業界間の想定為替レートの違いは最大7.44円差
- 「直接輸入」だけを行う企業は「直接輸出」だけの企業より1.60円の円安水準を想定
もちろん、全文リポートもアップされていますので、グラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
ということで、上のグラフはリポートから 想定為替レートの分布状況 を引用しています。繰り返しになりますが、平均は1米ドル=127.61円なのですが、モード=最頻値、メディアン=中央値ともに130円となっています。上のヒストグラムからも1米ドル=130円をはさむレンジを想定する企業が多いのが見て取れると思います。もちろん、業種によって輸入・輸出の占める割合が違いますし、企業ごとに保守的に、というか、厳し目に見るか、あるいは楽観的に見るかの違いもありますので、一概には何ともいえませんが、業種別に見て、卸売と金融が129円台を想定している一方で、建設と運輸・倉庫が120円台前半と想定していて、もっとも円安水準の卸売ともっとも円高水準の建設で7.44円の差があります。また、海外との取引が決して少なくない製造業では127.97円とほぼ平均に近い水準が想定されています。最後に、繰り返しになりますが、市場の実勢為替レートが140円前後である中で、企業は市場レートよりも少し円高水準を想定しているわけで、今後の為替相場の動向が気がかりです。
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