リクルートによる5月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
今週金曜日6月30日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる9月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。
まず、いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの時給の方は、前年同月比で見て、今年2023年に入って1月+2.9%増の後、2月から4月まで3か月連続で+2.1%増でしたが、5月は+2.4%増と順調に伸びています。ただし、+3%を超える消費者物価指数(CPI)の上昇率には追いついておらず、実質賃金はマイナスと想像されますので、もう一弾の伸びを期待してしまいます。でも、時給の水準を見れば、一昨年2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、かなり堅調な動きを示しています。他方、派遣スタッフの方は3月+3.4%増、4月+2.3%増の後、5月は+5.4%増とジャンプしました。CPI上昇率は上回っているものも、アルバイト・パートと違って派遣スタッフの統計はやや不安定な動きを示す場合があるので、今後とも少し気をつける必要があります。
まず、三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、5月には前年同月より2.4%、+27円増加の1,150円を記録しています。職種別では、「フード系」(+56円、+5.3%)、「製造・物流・清掃系」(+34円、+3.0%)、「販売・サービス系」(+26円、+2.4%)、「専門職系」(18円、+1.3%)で上昇を示した一方で、「事務系」(▲31円、▲2.5%)、「営業系」(▲58円、▲4.6%)、では減少しています。「販売・サービス系」と「フード系」では三大都市圏全体で過去最高額を更新しています。なお、地域別では関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、5月には前年同月より+5.4%、+85円増加の1,646円になりました。職種別では、「IT・技術系」(+158円、+7.5%)、「クリエイティブ系」(+72円、+3.9%)、「製造・物流・清掃系」(+48円、+3.6%)、「医療介護・教育系」(+46円、+3.2%)、「営業・販売・サービス系」(+26円、+1.8%)、「オフィスワーク系」(+18円、+1.2%)、とすべてプラスとなっています。「IT・技術系」では6か月連続で過去最高額を更新しています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。
基本的に、アルバイト・パートも派遣スタッフもお給料は堅調といえますが、物価上昇を下回っていて実質賃金は減少していると考えるべきです。加えて、日本以外の多くの先進国ではインフレ率の高まりに対応して金利引上げなどの金融引締め政策に転じていることから、世界経済が景気後退の瀬戸際にあることは確実であり、雇用の先行きについては下振れリスクが存在する点は忘れるべきではありません。
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